Back (2009.06.24up / 2009.06.25update)
村瀬藤城 筆跡
早起衡門嗽暁川。鴨崖往事夢依然。浮嵐暖翠長相似。回首平安十七年。
宿於千匹渡口中村氏家、早起書感、褧、自侍山陽翁於三本木及今十有七年矣、
故云。
[宿於中村氏家、朝々早起嗽流視山、緬然憶起、侍山陽翁於三樹菴時之事、及今十有七年矣、故云:「藤翁詩巻」存録稿]
癸卯孟夏 褧
早起門を衡(ひら)いて暁川に嗽ぐ、鴨崖往事、夢、依然たり。浮嵐、暖翠、長(とこしへ)に相似る。首(かうべ)を回(めぐら)せば平安十七年。
千疋渡口中村氏の家に宿り、早起して感を書す。褧三本木に於て山陽翁に侍して自り今に及ぶ十有七年なり。故に云ふ。
[中村氏の家に宿り、朝々早起して流れに嗽ぎ山を視る。緬然[はるかに]として憶起す、三樹菴に於て山陽翁に侍し時の事、今に及ぶ十有七年なり。故に云ふ。 「藤翁詩巻」存録稿]]
癸卯孟夏(天保14年旧暦4月) 褧(けい:藤城の名)」