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村瀬藤城 筆跡


村瀬藤城 掛軸 (2009年06月23日撮影)

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関市千疋 中村家蔵

早起衡門嗽暁川。鴨崖往事夢依然。浮嵐暖翠長相似。回首平安十七年。

 宿於千匹渡口中村氏家、早起書感、褧、自侍山陽翁於三本木及今十有七年矣、
故云。

 [宿於中村氏家、朝々早起嗽流視山、緬然憶起、侍山陽翁於三樹菴時之事、及今十有七年矣、故云:「藤翁詩巻」存録稿]

 癸卯孟夏 褧

早起門を衡(ひら)いて暁川に嗽ぐ、鴨崖往事、夢、依然たり。浮嵐、暖翠、長(とこしへ)に相似る。首(かうべ)を回(めぐら)せば平安十七年。
 千疋渡口中村氏の家に宿り、早起して感を書す。褧三本木に於て山陽翁に侍して自り今に及ぶ十有七年なり。故に云ふ。

 [中村氏の家に宿り、朝々早起して流れに嗽ぎ山を視る。緬然[はるかに]として憶起す、三樹菴に於て山陽翁に侍し時の事、今に及ぶ十有七年なり。故に云ふ。 「藤翁詩巻」存録稿]]

 癸卯孟夏(天保14年旧暦4月) 褧(けい:藤城の名)」


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