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(2019.07.28up / 2020.12.10update)
村瀬藤城 筆跡
村瀬藤城 掛軸 (2017年2月際遇)
講学移風漸緊如
燕居左右課詩初
誤飛愛鳥杖除百
笑促新題燭寸餘
恩意雲中活毛羽
真情河上感豚魚
深仁又是厳刑在
不翅臣民畏簡書
乾山侯興学課士近人好 詩 偈者誤逸其所愛籠鳥者
侯不堪譴罰之以詩命新題二其成限数刻云 是誠佳話也 褧雖不文
敢為裁五十六字以紀其實事
天保癸卯槐夏 藤城老民源具
講学の移風、漸く緊如
燕居の左右、詩を課する初め
誤りて愛鳥を飛ばすも、杖、百(※百叩き)を除き
笑って促す、新に燭の寸餘に題せよと
恩意は雲中に、毛羽を活せしめ(※鳥は自由になり)
真情は河上に豚魚も感ぜしむ(※士は豚魚之信を蒙る)
(※しかしながら)深仁また是れ厳刑在り
翅(ただ)に臣民の簡書を畏るるのみならず
乾山侯、学を興すに、士に近人の好む詩を課す。
偈する者、誤って其の愛する所の籠鳥を逸し者あり。
侯、之を譴罰するに堪へず、詩の新題二つを命ずるを以てし、其れ成すを数刻に限ると云へり。
是れ誠に佳話なり。褧、不文なりと雖も敢為、五十六字に裁して以て其の實事を紀す。
天保癸卯槐夏(天保14年4月) 藤城老民源具す。
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