Back(2004.06.26 up /2008.11.28update)

 須藤水晶 (すどう すいしょう)

(1738 元文3年 〜 1772 安永元年) 姓、須藤。名、元昺(へいモ)。字、仲虎。通称、文二。水晶山人と号せり。美濃岩村の人。邑に水晶山あり。 水晶の号蓋し此に基づく。須藤または首藤に作り、修して藤、又は滕と言ふ。父、名は季発、母は藤井氏、父に従って岐阜に徙る。幼にして父母を失ふ。年十七、師友を京摂に求め、 遂に桑名に至り南宮大湫に従学すること十七年、明和五年、大湫江戸に移る。水晶之に従ひ其の塾に長として生徒を督す。明和八年秋、大湫之が為に居宅を深川松井街に買ひ、 之を移居せしめ、教授を以って業とす。間も無く其の居火災にかかり、又大湫の家に寄寓す。平生酒を飲む。遂に疾を致し安永元年八月二十二日歿す。年三十五。人と為り落托不羈、 特に詩賦を能くす。平生意を進仕に絶つ。講説ますます密なり。すこぶる其の師大湫の人と為りに類す。惜しむべし、未だ抱負を述ぶるに至らずして歿せり。東叡山下泉龍寺に葬る。 著すところ、『日本名家詩選』『赤穂四十六士論』『唐話小説』 『水晶山人遺稿』『歳華記』『麗廣集』あり。(『先哲叢談』『儒学源流』『水晶山人遺稿』)

『濃飛文教史』(伊藤信著昭和12年博文堂書店[岐阜]刊)より


『水晶山人遺稿』

(すいしょうさんじんいこう)

水晶山人遺稿
(岐阜県立図書館蔵)

1782年(天明2年)3月 文錦堂, 陽華堂 上梓

版元
京都:林伊兵衛
伊勢:山形屋傳衛門

4,26,2丁; 26.8×18.0cm


p1

p2

本文

表紙  

刻水晶山人遺稿序:南宮大湫              

藤文二墓碣

五言古

 1.首夏過河氏林亭
 2.江亭待月
 3.緑竹園歌  
 4.贈左士常歌
 5.梅花篇送士常暫還浪華
 6.奉賀尊師大湫先生卜居
 7.別平安諸子
 8.賦得池塘生芳草
 9.大湫尊師携孚先文哉泛舟釣間遠渡余有恙強従焉舟中賦奉呈尊師兼送二子
10.夏日同諸君遊清水南蔵院分得八庚二首
11.夏夜子篤見訪同賦因奉懐大湫尊師
12.水居
13.山居
14.和答平安西章甫
15.羅帷春風吹
16.鳥散餘花落五首毎詩以題字為韻
17.午日後一日墨水舟中重送關士長還郷得青字
18.懐太一兄
19.夏日訪和田士留邸居同田生賦分得涼字
20.立秋日集爽鳩子允宅分得停字
21.又得談字
22.寄石作士幹
23.余従大湫先生自西移東在江都者有年矣先生以[日丙]有親炙之久且其歯之長乃令[日丙]長其塾以督生徒焉[日丙]也不敏雖不敢當而朝習夕誦唯命之謹己 今茲辛卯之秋先生新買居子萱葉巷講堂書室頗増旧制修造既成同盟諸友置酒賦詩相集以賀[日丙]也不可不賦乃呈詩云
24.冬日遊松源寺分得門字
25.折花香満袖
26.左士常墨水別送災後新成同諸子遊時藤文哉携酒饌得飛字三首
27.三日宴平洲先生嚶鳴館得復字
28.卜居

五言排律
29.仲冬既望南至燕飲積翠楼各賦
30.邦祖廟守歳
31.邦祖廟迎春

六言律
32.春日田家

七言律
33.登清水寺大悲閣
34.奉邂逅尊師大湫先生
35.夏日同江北海林東溟金龍道人江孔均石太一源君續集梅龍先生芳翠館
36.同席上分題得堅田落雁
37.南宮函丈積翠楼同三浦君謹邂逅長門臺先生
38.賀松平士龍翁七十
39.春夜南宮函丈積翠楼邂逅金龍上人
40.七月十六夜桑名客舎邂逅松崎君脩先生分得歓字
41.秋日寄題東山藤堂公別業菊花
42.奉賀藤堂侯五十初度 余時寓伊勢阿濃津
43.春日臥病喜石作士幹至席上探韻得親字
44.賡平安江孔均春遊作
45.再畳前韻寄答江孔均兼呈尊翁北海先生
46.送曇上人奉賜紫 命移住飯沼弘経寺
47.奉賡尊師大湫先生見酬張州岡挺之瓊韻
48.春日郊行
49.春雪中集泉士徳宅分韻
50.早春陪大湫尊師同金谷石兄及諸子過飲爽鳩太夫宅分得春字
51.送爽鳩子暫之参州
52.冬日遊左士常墨水別荘同諸子賦分得遊字
53.宿塔澤
54.送關士長之湖中
55.陪大湫先生同諸子集馬君学宅分得虚字
56.和田士留懸壺堂新成同諸子賦得重字
57.恭寄題延陵老侯園内菊
58.冬夜集懐石川兄太一時膳所侯下世
59.冬日過田伯倫邸居
60.夏夜遊両国橋
61.奉酬大湫尊師立秋前一日見懐之作
62.酬賀伯魏
63.冬日得大湫先生書有感賦此奉答
64.聞石作士幹帰信中遥有此寄
65.人日平洲紀先生嚶鳴館送川世美之平安
66.春日遊羅漢寺
67.夏日泉士徳邀飲墨水舟中時道一新自平安至
68.陬磨夜泊
69.病中雑詠十六首
70.墨河七絶
71.贈和田士留
72.懐三浦君謹
73.鏡中花

七言絶
74.洛橋春望
75.奉陪大湫尊師遊嵯峨三首
76.和三浦君謹見寄
77.答屋子壽
78.中川九皐橘来甫訪余時不在家留詩帰因次韻謝此
79.寄瀧彌八先生
80.寄石川金谷三首
81.寄懐松崎君脩先生
82.聴同舟者吹簫
83.寄谷孚先
84.邂逅吉益東洞翁
85.留別子来九皐
86.宿金屋駅
87.早渡大堰河遥望冨士山
88.懐菅文哉
89.春宮怨
90.秋宮怨
91.
92.冬至平洲先生嚶鳴館燕集席上呈松崎先生
93.同前席上贈熊耳先生
94.元旦試筆
95.首春集米子直宅分得簾字
96.売殘梅花
97.売殘水仙
98.春日訪米子直
99.壬辰之歳災後余寓爽鳩大夫子允宅者数日矣偶欲赴相之大山時大夫亦将有日光之行賦此以別
100.病中聞諸子集積翠楼賦此奉贈南宮尊師
101.臨終作
誰謂秋風至 起色在清涼 秋風吹不転 長入白雲郷
誰か謂はん秋風至って、起色清涼に在りと。秋風吹いて転がらず、長しへに白雲郷に入る。
102.同奉別大湫尊師
茫々泉路復誰憑 未及酬恩涙若氷 秋風一片南窗雨 吹入牀頭半夜燈
茫々たる泉路また誰か憑かん 未だ恩に酬ゆるに及ばず、涙は氷のごとし。 秋風一片、南窗の雨。 牀頭に吹入る半夜の燈。

空き

水晶山人遺稿跋(石田言君)        

奥付

奥付

奥付

該書は岐阜県立図書館蔵。復刻掲載の段につきましては謹んでお礼を申し上げます。


『日本名家詩選』

日本名家詩選
該書は後世の貼り題簽

p3

テキスト03  テキスト04  テキスト05
序文 内藤政陽  テキスト06
序文 南宮大湫  テキスト07  テキスト08  テキスト09  テキスト10  テキスト11
凡例  テキスト13  テキスト14
目次  テキスト15
巻1
巻2
巻3
巻4
巻5
巻6
巻7
跋:太宝 井 孝徳  テキスト23

p4

寛政十年に再版が出てゐる。


Back
Top