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星巌丙集
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星巌丁集
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本書が乙集『征西詩』のあとに、ふたたび甲集を差し置いて出された星巌の第二刊行詩集『丙集・丁集』です。天保6年2月の刊行元は「玉池吟社」、つまり自費出版されました。
『西征詩(乙集)』後の作品集ですが、最初の甲集よりこの丙・丁集を見てもらいたい「もどかしさ」や、
作品はこの何倍もあるんだといった自負が「刪:刪除省略」といふ名付けに感じられます。
先輩大窪詩仏の詩聖堂の趾を襲って、お玉が池の畔に詩塾「玉池吟社」を開いたのはこれに先立つ三ヶ月前。
正に江戸の詩壇に梁川星巌ありと旗揚げを宣言する、正念場の決意を示した一冊だったと思はれます。
すでに京都に頼山陽はなく、玉池吟社における梁川星巌の名声は、この後一気に日本一へと揚がっていったのは周知の通りです。
5年後の天保11年には、『新鐫 星巌丙集』としてこの本は面目を改め(管理人は未見)ます。
さらに翌年には、満を持して甲集から始まる後の全ての集が、妻紅蘭の詩集を付録に加へた『星巌集』9冊セットとして刊行。以後引き続いて12冊となって完成、世に行はれます。
現在『星巌集』はよく目にしますが、この一冊は稀にしか覯ません。謂はば江戸時代最後の詩匠出現の瞬間を物語る一冊であるやうに思ひます。