『湖山樓詩鈔』
（こざんろう ししょう） 横山湖山 著
遊焉唫社 二巻一冊 私家版 ,嘉永三(1850)刊 2,16,17丁 20.1×13.3cm
小野湖山 遺墨（まくり） 2006年2月入手。
隣翁与我年相若
咲指門前老柏枝
記否童時跨竹馬
就他清蔭共遊嬉
還郷雑吟之一 湖山老人
隣翁と我と年相ひ若し
咲(わら)って指す、門前の老柏枝
記すやいなや童時竹馬に跨り
また清蔭に就いて共に遊嬉せしを
小野湖山 遺墨（掛軸） 2007年3月入手。
雲濤萬里望悠々 触起人間何限愁
帝位空高天北極 世風漸下水東流
金湯海内無雙固 兵馬関中第一州
今日与誰論往事 夕陽獨上野僧楼
湖山愿
雲濤萬里、望めば悠々。 触起人間何ぞ愁ひを限らん。
帝位は空高く天北に極む。 世風漸く下水東流
金湯海内、双つなく固し 兵馬関中第一州
今日誰とともに往事を論ぜん。 夕陽独り上る野の僧楼
湖山愿
小野湖山 遺墨（掛軸） 2008年1月入手。
餘齢漸近古稀年 祝得座紛一灑然
猶是此心関節序 欲将何事上詩篇
檐端雀噪聲々喜 盆裡花開色々妍
児輩経営成小築 楼居恰好学神仙
録近製 湖山六十八翁
余齢漸く近し、古稀の年。 祝ひ得たり、座は紛れ、一たび灑然たり
なほ是れ此の心、節序に関するがごとし。 何事を将って詩篇に上さんと欲す。
檐端の雀は噪いで聲々に喜び 盆裡の花は開いて色々に妍(うつく)し。
児輩の経営、小築と成る。 楼居恰かも好し神仙を学ぶに。
近製を録す。 湖山六十八翁
下はネットオークションでみかけた同じ詩篇の軸。ともに本物？
小野湖山 遺墨（掛軸） 2008年6月入手。
無用江湖一長翁
何論齒豁与玩[頑]童
詞壇牛耳人推我
我耳聞如馬耳風
無用なる江湖の一長の翁
何ぞ論ぜん齒豁と玩童ともにするを
詞壇の牛耳、人は我を推すも、
我が耳は、馬耳の風を聞くが如し。
小野湖山 遺墨（掛軸） 2008年8月入手。
白金光耀是何賜
板兵児曹意始清
應悔蓙縁税難後
将軍營裏漫談兵
僧西行擲銀煙[猫？]圖 湖山翁
小野湖山 遺墨（掛軸） 2010年2月入手。
珍奇眩目水晶宝
身落神機鬼巧中
觀國之光真映事
佛俄英米一帆風
讀乗槎筆記十首之一 湖山酔翁
珍奇、目は眩む、水晶の宝
身は落ちん、神機鬼巧の中
※國の光の真に事を映せるを観よ
佛俄英米(フランス・ロシア・イギリス・アメリカ)一帆の風
『乗槎筆記(清・斌椿)』を讀む十首の一
※「観国之光、利用賓于王」(国の光を観るは、もって王の賓たるによろし)
小野湖山 遺墨（掛軸） 2019年1月入手
小野湖山 遺墨（掛軸） 2022年7月入手
紅葉満林秋氣清
富峯映水慰舟情
八湖過半入仙境
霊岳一周神伺精
湖山八十六翁
紅葉、林に満ち秋氣清し
富峯、水に映じて舟情を慰む
八湖、半ば過ぎて仙境に入り
霊岳一周、神、精(精進湖)を伺ふ
湖山八十六翁
