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四季派の外縁を散歩する   第十五回

詩誌『MADAME BLANCHE:マダムブランシュ』復刻版に寄せて

復刻版

『コレクション・都市モダニズム詩誌 第13巻:アルクイユクラブの構想』 ゆまに書房,2010.11 775p, 図版 [2] p ; 22cm \25,000


本年度唯一の個人的な希望を許可して頂いた新刊の研究書『コレクション・都市モダニズム詩誌第13巻:アルクイユクラブの構想』。 詩誌『マダムブランシュ1932.5-1934.8』の復刻版が満を持して図書館に到着しました。この一冊のなかにどれ程の稀覯モダニズム詩集の初出文献が収められてゐることか、 なにせ北園克衛と岩本修蔵の蜜月時代に、あのボン書店と組んで発行された雑誌です。原本の誌面が瀟洒なデザインともそっくりそのまま影印されてゐるのですが、 続いて刊行される『VOU(第14・15巻)』や、『新領土』の前身『詩法(第11・12巻)』とともに、この度の復刻企画の掉尾を飾る目玉本であるやうに思ひます。

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 拙サイト的に申上げれば他でもありません。この『マダムブランシュ』といふのは、新進詩人として創作に鎬を削ってゐた若き日の田中克己先生が、本拠地『コギト』とは別に、 謂はば抒情詩陣営からモダニズムの土俵に飛び込んで同人参加してゐた雑誌です。おそらくその縁でせう、当時まだ23歳といふ若さだった保田與重郎や中島栄次郎の一文を客人待遇で巻頭に掲げ、 北園克衛・岩本修蔵タッグで迎へ撃つといふ「相克する理念のやりとり」が誌上で繰り広げられてゐることに、まず吃驚です。事情は、 今回の復刻を編集した宮崎真素美氏によって巻末の解題論考で委しく解析されてをり、まことに興味深く拝読しました。『コギト』の他にも手強いライバルとして北園克衛の兄、 橋本平八の一文も迎へられてをり、所謂北園の郷土詩が初めて登場したのものこの舞台であってみれば、詩と詩論の実験が上辺のモダニズムを逸脱して行はれたところに、 この雑誌一番の特徴がみてとれるやうに思ひます。さうして『コギト』の側でも、今度は保田與重郎が岩本の『青の秘密』や北園の『円錐詩集』に論及して応へる(1933.12)など、 後年では一寸考へられないやうな交流、といふより接触が、この時期の田中克己を介してみられたのであり、リアリズムをめぐってプロレタリア文芸と決別する過程とともに、 雑誌の性格が固まってしまふ前の、混沌とした『コギト』の魅力を成してゐます。(『マダムブランシュ』でのペンネームに、箕作一郎[みつくりいちろう]といふ、 保田與重郎のペンネーム水栗一郎をもじったりしてるのもをかしいですね。笑) さしづめ北園克衛の郷土詩を「スキャンダル」と称した村野四郎に言はせるなら、 如上の「やりとり」を含めてさうなのでせうし、反対に、田中克己が『詩集西康省』を出版した際には、

「その頃新しがりの一種の詩風が行はれてゐて、その連中は軽薄にも田中君を自分等の仲間と思ひ誤つた。それは見てゐて滑稽なことであった。 田中君は本質的に彼等の一番の敵であったからだ。:「感想」1938.11」

 と、伊東静雄が『コギト』誌上で田中克己に向かって「モダニズムに対する引導」を渡してゐるのですが、当時『VOU』や『新領土』に活動拠点を移してゐた嘗ての盟友は、 これを「裏切り」と思ったことでせう。もっともこの言葉は友情が半分、浪曼派ならではの穿ちもまた半分占めてをり、田中克己自身は当時のモダニズム詩人たちとの交流を生涯後悔したことなどはなく、 自分の可能性が糸目をつけず啓かれてゐた詩的出発の時期、また風通しもよかった時代の思ひ出として後年まで懐かしんでゐたやうです。 「裏切り」も政治的な体制派に寝返ったといふ意味ではなく「なぜ文学をするのか」といふ動機に遡って胚胎してゐた文学上のことです。(けだし戦争中は、名の有るモダニズム詩人たちもみな体制派に寝返ったわけです。)

 さて、また一方ではこの雑誌、第11号から始まった「詩集の審判」と称する批評欄が、当時の詩壇に相当の物議をかもして居ったもののやうで、これは今回初めて目にするものでした。 春日新九郎なる匿名子による、譏笑骨を刺す六号活字の暴言は、確かに今よんでもドキッとさせます。軽薄にも放言は、時に身内にさへ向けられてをり、 第12号で低脳呼ばはりされた同人加藤一が気を悪くして脱退、次号でその一件について「弁解」するも舌鋒の収まる気配はなく、「登山道路」を腐された田中先生も、 翌る13号をもって踵をめぐらしてゐます※1。元来「わけのわからん詩を書いてゐる」モダニズム詩人に「攻撃は最大の防禦」的なポーズはつきものなのですが、それがたちの悪いセクト主義として、 ここでは素性の知れぬ人間只一人の無責任な発言が、まるで雑誌を代表する発言のやうに「連載」されてゐるところが問題です。もちろん編集上、故意に認可されたものですから、 むしろ雑誌の印刷所が当初の「苅谷源次郎(椎の木社御用達の印刷所)」から「ボン書店」に移された時の事情を反映してゐるものとみるべきでせう。なるほどライバル関係だった『椎の木』と、 その衛星雑誌の作品には殊更憎悪に近い言葉が浴びせかけられてゐます。 刺客ともいふべきこの鉄砲玉の存在が、(今よめば得難い当時の雰囲気や関係の把握にそれなりに役立つとは思はれるものの)洗練された雑誌の品格を卑しめてゐる様子は惜まれる限りで、 旧態然とした抒情詩を書く大家に臆せず悪態をつくのは分かるのですが、乾直恵や高祖保など知性派詩人をボロクソに誹謗中傷してゐるのはどうも頂けません。 自ら雑誌の責任者ではないと矛先を躱してゐますが、『岩本修蔵詩集成』に掲載の丹野正の回想文によると「春日新九郎は岩本修蔵のゴーストである」ださうです※2。

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日夏耿之介を貶すも堀口大學には手を触れず、「荘原照子といふ女の子は評判だけで詩はレベル以下だ(14号25p)」などと評言、ことに岩佐東一郎にベタベタに甘いこの春日新九郎なる「サツマハヤト」の罵詈雑言は、 「ま少し」なんていふ言ひ回しが、もし岐阜弁だったとすれば、なんだか刊行者鳥羽茂と仲が良かったといふ皮肉屋の近藤東なんかも思ひ出されたりしたのですが、 韜晦には江戸言葉はともかく実感ある関西弁を混じへてゐるところからすると、伊勢人の仕業である公算は確かに高さうです。

 そして、そもそもこのとんでもない連載を許可してゐる責任者の御両人が、ポレミックであることに掛けては人後に決して落ちませんで(笑)「喧嘩帖」といふコーナーをリレーしてゐます。 このやうな雑誌の姿勢といふのは、同人だった『椎の木』に縁の深い、澤木隆子や山中富美子といった温雅な閨秀詩人を去らせ、代りに第5号から大量の新人が呼び入れられたものの、 件の「審判」と、それから続いて掲げられることになった尖がりマニュフェスト、これを許容できない詩人達は再びふるひ落とされてゆきます。 北園理論に共鳴する筋金入りのモダニストが残ったところでの発展的解消、やがて『VOU』創刊へ至るといふ筋書きも、後からは描けるのであって、雑誌『マダムブランシュ』の短い歴史は、 強いていふならこの3期に分けられのでありませう。そして斯様な戦闘的佇まひの有無に拘らず、抒情とモダニズムの結節点に位置した知的ポエジーといふのは、 こののち新しい段階へ移行してゆくことになります。やがて椎の木社やボン書店といふ受け皿が消滅するとともに、伊東静雄が語ったやうに、詩人達は各様の態度の鮮明を迫られ、 以後長い昭和10年代を、夫々の詩派内部の交流の中に籠って過ごすことが多くなってゆくのです。アンデパンダン的性格を有する新進詩人の受け皿といふのも、以後、 地方の薹のたった宗匠詩人ごとに作られることになりますが、もはや批判精神や知的ポエジーが同人是として標榜されることはなかったのでした。
 謂はば『マダムブランシュ』はそれに関った詩人達にとって、アンビバレンツな感情の記憶を呼び覚ますものの、居心地のよろしくないことをモットーとするところに開花した、 古きよき時代最後の花束のやうなもの、と呼んだらよいのかもしれません。

 さて、詩集を集めてゐた若い頃の夢が、かうして次々に叶ってゆく・・・当時目にすることができなかった悔しさが晴れるとともに、 この若やいだ内容が惜しみなく一冊に盛られた分量に対しては、老人がビフテキの巨塊を前にするやうな一抹の寂しさも感じます。 また金額的にも叢書15巻の陣容を揃へられる図書館といふのは、 公共予算の縮小・大学国文学科の退潮の現在にあっては、そんなに多くはないかもしれません。一冊でも多く世に行はれることを祈ります。(2011.02.22)

※1.ただし第5号〜16号巻末のアルクイユのクラブ員の名簿には掲載されてをり(終刊17号にはない)、脱退の表明はしてゐないやうである。 参考文献として「詩集の審判:『MADAMEBLANCHE』13号」を抄出する。
※2.加藤仁様、御教示深謝。2012.9.6訂正。

p1

【MADAME BLANCHE:マダムブランシュ 総目録】

Vol. p 著者 タイトル No.
1 0 昭和7年5月15日発行 編輯発行兼責任者 北園克衛 /印刷者 苅谷源次郎 /発行所 アルクイユのクラブ \0.25 0
1 1 ハンス アルプ l'art abstraitに就て(瀧口修造・訳) 1
1 3 左川ちか 白と黒 2
1 4 阪本越郎 光陰について 3
1 5 本多宏盛 SUB ROSA 4
1 6 本山茂也 フランスの旗 5
1 7 岩佐東一郎 春眠 6
1 8 澤木隆子 春の約束 7
1 9 飛鳥融 Pelerin 8
1 10 青木泰太郎 春のロマン 9
1 11 近藤東 オツトセイ 10
1 12 山中富美子 夏の一頁 11
1 13 荘生春樹 静かなるドン 12
1 14 佐藤義美 別離以前 13
1 15 岩本修蔵 春の祭典 14
1 16 北園克衛 詩の偶像 15
2 0 昭和7年7月1日発行 編輯兼発行責任者 北園克衛 /印刷者 苅谷源次郎 /発行所 アルクイユのクラブ \0.10 0
2 1 田村泰次郎 物体との格闘 1
2 3 山中富美子 思出 2
2 4 荘生春樹 波のなかの標識旗 3
2 5 本山茂也 モザイク 4
2 6 澤木隆子 望遠鏡の中 5
2 7 本多宏盛 DA CAPO 6
2 8 近藤東 オ習字 7
2 9 佐藤義美 雪線 8
2 10 岩本修蔵 コルネツトの道 9
2 11 北園克衛 安息日 10
2 12 左川ちか 11
2 13 青木泰太郎 頂点 12
2 14 駿河正平(酒井正平) 記憶 13
2 15 阪本越郎 失意 14
3 0 昭和7年11月1日発行 編輯兼発行責任者 北園克衛 /印刷者 鳥羽茂 /発行所 ボン書店 /編輯所 アルクイユのクラブ  \0.20 0
3 1 春山行夫 枯れた花 1
3 3 澤木隆子 石の頬 2
3 4 駿河正平(酒井正平) その日に聞かう 3
3 5 山中富美子 海岸線 4
3 6 荘生春樹 寂蓼 5
3 7 左川ちか 雲のかたち 6
3 8 木村五郎 哀歌 7
3 9 サン ポル ルウ 最初の女 ヴィクトル・ユーゴーに(山中散生・訳) 8
3 10 近藤東 ハツプスブルグ家の森 9
3 11 曾山十二男 悍馬 10
3 12 岩本修蔵 秋とともに捧げられたる 11
3 13 一瀬通之 庭園 12
3 14 佐藤義美 漂流 13
3 15 本山茂也 海の響 14
3 16 北園克衛 火の鳥 15
3 17 山中散生 Saint-Pol-Roux について 16
4 0 昭和8年1月10日発行 編輯兼発行者 北園克衛 /印刷者 鳥羽茂 /発行所 ボン書店 /編輯所 アルクイユのクラブ   \0.10 0
4 1 レエモン ラディゲ CONSEILS AUX GRANDS POETES(山中散生・訳) 1
4 3 西脇順三郎 コリコスの歌 2
4 4 左川ちか 冬の詩 3
4 5 阪本越郎 4
4 6 山中散生 火あそび 5
4 7 酒井正平 コンポジシヨン 6
4 8 荘生春樹 写真 7
4 9 山中散生 私信 8
4 11 岩本修蔵 ばれた秘密 9
4 12 本山茂也 鹿の影 10
4 13 山中富美子 姿勢する 11
4 14 木村五郎 クリスマス 12
4 15 澤木隆子 姿の詩 13
4 16 曾山杜二夫(曾山十二男) 花と友情 14
4 17 飛鳥融 Etudes fleurs 15
5 0 昭和8年2月25日発行 編輯兼発行者 北園克衛 /印刷者 鳥羽茂 /発行所 ボン書店 /編輯所 アルクイユのクラブ   \0.10 0
5 1 - [扉 短章 噫フロオレンスの詩人は…](訳者不詳) 1
5 3 本山茂也 ボオドレエル―私考 2
5 5 江間章子 電報用紙 3
5 6 阪本越郎 スケエト靴 4
5 7 酒井正平 5
5 8 芹澤一夫 黄昏 6
5 9 木村五郎 童話風に 7
5 10 小林善雄 距離 8
5 11 桑原圭介 国境 9
5 12 田中克己 10
5 13 アンドレ ジイド アンドレ ジイドの日記から(秋田滋・訳) 11
5 15 山中富美子 沈黙 12
5 16 荘生春樹 13
5 17 山中散生 わすれたひとのこと 14
5 18 一瀬通之 光りの陰 15
5 19 村松貞亮 16
5 20 志保砂彦 ERNA 17
5 21 曾山杜二夫(曾山十二男) 水屑 18
5 22 伊東昌子 海響 19
5 23 山中散生 私信 ジョーブスケについて
20
5 25 飛鳥融 贈物に添へて 21
5 26 壁谷垣士 偸まれた序 22
5 27 加藤一 23
5 28 菊島常二(菊島恒二) LUNA 24
5 29 植松計 窓際にて 25
5 30 澤木隆子 静かな饗宴 26
5 31 税所篤二 少年ラムボオの話 27
5 33 左川ちか 目覚めるために 28
5 34 岩佐東一郎 自嘲歌 29
5 35 岩本修蔵 可愛い賭博師 30
5 36 川村欽吾 明るいバス 31
5 37 城尚衛 スキヌダル 32
5 38 麻生正 冬の汗 33
5 39 廣瀬五郎 北海は地上のマドリガルに涙す 34
5 40 井上多喜三郎 言葉 35
5 41 近藤東 流行スル街 36
6 0 昭和8年4月15日発行 編輯兼発行者 北園克衛 /印刷者 鳥羽茂 /発行所 ボン書店 /編輯所 アルクイユのクラブ  \0.10 0
5 0 Issa [扉 短章 月の花のとちんぷんかんのうきよかな](不詳) 1
6 1 マルセル ラバル レエモン・ラデイゲ(阪本越郎・訳) 2
6 3 伊東昌子 スヴェニイル 3
6 4 木村五郎 白夜 4
6 5 植松計 花籠 5
6 6 城尚衛 はるかなる悲劇 6
6 7 曾山杜二夫(曾山十二男) 星の誕生 7
6 8 加藤一 消化器の周囲 8
6 9 川村欽吾 四月 9
6 10 菊島常二(菊島恒二) 春の訪れ 10
6 11 アンリ フオコンニエ ジヤングル(飯島正・訳) 11
6 13 フランソワ ビロン ロンデル(城左門・訳) 12
6 14 西崎晋 13
6 15 北園克衛 生れた家 14
6 16 芹澤一夫 春のシヤンソニエ 15
6 17 田中克己 唐草 16
6 17 志保砂彦 鏡のある小さな喫茶店で 17
6 19 壁谷垣士 迷ひ児たちは 18
6 20 金澤福緒 読書 19
6 21 カアル フオルメラア 自動車と少女(箕作一郎みつくりいちろう[田中克己]・訳)※保田與重郎のペンネーム「水栗一郎」のパロディである。 20
6 23 荘生春樹 エンデュミオンの白薔薇 21
6 24 小林善雄 傾斜 22
6 25 飛鳥融 エロイーズヘ 23
6 26 廣瀬五郎 カメリアの喪 24
6 27 桑原圭介 25
6 28 江間章子 日本古語に存在する西班牙 語 26
6 29 ポオル ヴアレリイ Stendhal(秋田 滋・訳) 27
6 31 山中富美子 昨日 28
6 32 岩本修蔵 三月の記憶 29
6 33 麻生正 雨と雨蛙と 30
6 34 本山茂也 自戒 31
6 35 酒井正平 説話 32
6 36 阪本越郎 カンカン帽 33
6 37 井上多喜三郎 葡萄酒 34
6 38 村松貞亮 雛祭 35
6 39 左川ちか 花咲ける大空に 36
7 0 昭和8年6月25日発行 編輯兼発行者 菊島廣 /印刷者 鳥羽茂 /発行所 ボン書店 /編輯所 アルクイユのクラブ   \0.20 0
7 1 ボオドレエル [扉 短章](訳者不詳) 1
7 3 春山行夫 夕暮に書く 2
7 6 西脇順三郎 [無題] 3
7 7 西崎晋 アドニス祭 4
7 8 井上多喜三郎 5
7 9 麻生正 洪水の彼方 6
7 10 壁谷垣士 沙の皿、 Aeronautics 7
7 11 井伊脩三 ベーゼ 8
7 12 左川ちか 9
7 13 レェモン ラディゲ バラアド[抜粋](山中散生・訳) 10
7 14 阪本越郎 砂漠の酒 11
7 15 桑原圭介 昼餐、春日 12
7 16 加藤一 グリーンハウス、護謨製の 船 13
7 17 芹澤一夫 Adieu 14
7 18 岩本修蔵 陽気な慾ばり 15
7 19 アンドレ ジイド 日記(飯島正・訳) 16
7 20 金澤福緒 YO YO 17
7 21 菊島常二(菊島恒二) 柘榴水、星の頬 18
7 22 城尚衛 乗合馬車、ヴェンタの踊子 19
7 23 川村欽吾 陸橋 20
7 24 江間章子 21
7 25 岡山東 FILM CRITIC『巴里祭』のノート 22
7 27 西條成子 花見酔客、悲しき恋 23
7 28 北園克衛 24
7 29 酒井正平 小さい時間 25
7 30 小林善雄 黙劇、廻転 26
7 31 廣瀬五郎 白痴の葩 27
7 32 田中克己 季節 28
7 33 村松貞亮 春のむこふ 29
7 34 浦和淳 憩ひ 30
7 35 鳥羽馨 返書 31
7 36 伊東昌子 僻地の合掌、誕生石 32
8 0 昭和8年7月30日発行 編輯兼発行者 菊島廣康 /印刷者 鳥羽茂 /発行所 ボン書店 /編輯所 アルクイユのクラブ   \0.20 0
8 1 コクトオ [扉 短章](訳者不詳) 1
8 3 阿比留信 あるジョイスの肖像 2
8 6 西脇順三郎 3
8 7 木村五郎 高原 4
8 8 芹澤一夫 手紙 5
8 9 浦和淳 たちくらみ、驟雨 6
8 10 上田修 片しぶき 7
8 11 酒井正平 絵具箱の感傷 8
8 12 廣瀬五郎 猟人 9
8 13 井伊脩三 花々の希望、梟 10
8 14 壁谷垣士 模造作品 11
8 15 金澤福緒 言葉 12
8 16 小林善雄 挿話 13
8 17 飛鳥融 歯朶の森、話された秘密、花言葉 14
8 18 伊東昌子 古衣 15
8 19 小栗雋一郎(北園克衛) 毒の花束 16
8 21 岩本修蔵 グレた詩人への忠告 17
8 23 北園克衛 Chant du marin 18
8 24 鳥羽馨 おびただしいロマネスク 19
8 25 加藤一 角封筒 20
8 26 村松貞亮 記念詩集 21
8 27 川村欽吾 瑚排店の鳩、海のオルガン 22
8 28 井上多喜三郎 綴れない音信 23
8 29 西崎晋 Au dala du...... 24
8 30 田中克己 高地 25
8 31 城尚衛 ルサルカ、猫 26
8 32 桑原圭介 祝祭 27
8 33 麻生正 化学史観 28
8 34 菊島常二(菊島恒二) Marine dorenavant sans la mer、柿色の封筒 29
8 35 西條成子 策取 30
9 0 昭和8年9月20日発行 編輯者 菊島廣康 /発行兼印刷者 鳥羽茂 /編輯所 アルクイユのクラブ /発行所 ボン書店 \0.20 0
9 1 ハイネ [扉 短章](訳者不詳) 1
9 3 保田與重郎 言語使用の純化 2
9 5 江間章子 3
9 6 川村欽吾 En Turquie 4
9 7 鳥羽馨 詩人の出発 5
9 8 壁谷垣士 見世物 6
9 9 桑原圭介 悲しき都邑 7
9 10 菊島常二(菊島恒二) 三つの秘密のぬけ穴、Esperanza 8
9 11 麻生正 9
9 12 北園克衛 Chant du marin 10
9 13 城尚衛 Consuelo 11
9 14 西崎晋 Chason sans Paroles 12
9 15 小栗雋一郎(北園克衛) ヤタガンの上機嫌 13
9 17 岩本修蔵 ヘボ詩人への忠告 14
9 19 西脇順三郎 高原 15
9 20 浦和淳 亡命者の日記に擬して 16
9 21 芹澤一夫 魔女の手を持つたヴィニェ ス、大理石の影 17
9 22 小林善雄 航海 18
9 23 上田修 お酒落、私語 19
9 24 廣瀬五郎 20
9 25 酒井正平 或は牝騾馬の説 21
9 26 伊東昌子 星祭 22
10 0 昭和8年10月9日発行 編輯者 菊島廣康 /発行兼印刷者 鳥羽茂 /編輯所 アルクイユのクラブ /発行所 ボン書店 \0.20 0
10 1 ルナアル [扉 短章](訳者不詳) 1
10 3 西脇順三郎 ディスュラムボス 2
10 4 浦和淳 名花 3
10 5 井上多喜三郎 時間 4
10 6 佃留雄 薔薇 5
10 7 上田修 煙出しから友達の顔が出た 6
10 8 酒井正平 お母様の椅子に付いて 7
10 9 鳥羽馨 濡れた街の夜の地図 8
10 10 小林善雄 青い果実 9
10 11 城尚衛 黒のヴエニユス、凱旋 10
10 12 廣瀬五郎 蜃気楼 11
10 13 大前登與三 スヴニイル 12
10 14 岩本修蔵 異國の古絃 13
10 15 西崎晋 ロマンに倣つて 14
10 16 伊東昌子 海の方へ 15
10 17 小栗雋一郎(北園克衛) ヤタガンの上気嫌 16
10 19 本山茂也 作家失言 17
10 20 岩本修蔵 季節の鞭 18
10 23 江間章子 葡萄園 19
10 24 静文夫 驟雨 20
10 25 菊島常二(菊島恒二) 裸の瓶、聖しこの暮の片割れ 21
10 26 桑原圭介 Chansons d'amant 22
10 27 芹澤一夫 サタンの日曜日、月の花々によつて飾られたところの 23
10 28 木村五郎 別離 24
10 29 壁谷垣士 LE DES BOUJOURS 25
10 30 川村欽吾 秋の景 26
10 31 金澤福緒 27
10 32 北園克衛 冬至 28
11 0 昭和8年11月15日発行 編輯者 岩本修蔵 /発行兼印刷者 鳥羽茂 /編輯所 アルクイユのクラブ /発行所 ボン書店 \0.15 0
11 1 藤村操 [扉 短章](訳者不詳) 1
11 3 中島栄次郎 遊離と純化 2
11 5 北園克衛 野分 3
11 6 西崎晋 Lecume inconnue 4
11 7 田中克己 旅で 5
11 8 伊東昌子 恋の季節にも 6
11 9 丹野正 [無題] 7
11 10 静文夫 季節、骨董店にて 8
11 11 桑原圭介 街のカニバル 9
11 12 浦和淳 CHANT MELANCOLIQUE 10
11 13 酒井正平 航海癖、利潤癖 11
11 14 大森泰二郎 樹樹の間 12
11 15 小栗雋一郎(北園克衛) 喧嘩帖 13
11 17 岩本修蔵 季節の鞭 14
11 20 春日新九郎 詩集の審判 15
11 23 芹澤一夫 フロオレエ 16
11 24 大前登與三 コンサアト、季節の摂理 17
11 25 川村欽吾 海のスゥヴニィル 18
11 26 廣瀬五郎 19
11 27 アレン テイト ハアト・クレインの死(近藤東・訳) 20
11 30 壁谷垣士 アンジェルュス 21
11 31 丹野正 Hirtoires err fleur 22
11 32 菊島常二(菊島恒二) マノンの背徳 23
11 33 小林善雄 24
12 0 昭和8年12月20日発行 編輯者 岩本修蔵 /発行兼印刷者 鳥羽茂 /編輯所 アルクイユのクラブ /発行所 ボン書店 \0.20 0
12 1 de La Mettrie [扉 短章](訳者不詳) 1
12 3 西脇順三郎 シインボルの移動 2
12 6 西條成子 3
12 7 酒井正平 パアテル・ノステル、病状 4
12 8 村松貞亮 不可能な悲劇 5
12 9 ステファヌ マラルメ 書箋(丹野正・訳) 6
12 11 近藤東 望郷 7
12 12 金澤福緒 なまけもの 8
12 13 浦和淳 降誕祭 9
12 14 小林善雄 流星と海 10
12 15 保田與重郎 千樫と赤彦 11
12 17 伊東昌子 道路 12
12 18 田中克己 山家 13
12 19 川村欽吾 La mer 14
12 20 大森泰二郎 花の場合 15
12 21 小栗雋一郎(北園克衛) 喧嘩帖 16
12 23 岩本修蔵 季節の鞭 17
12 25 桑原圭介 ヘブライの喇叭 18
12 27 春日新九郎 詩集の審判 19
12 29 橋本平八 原始精神に就て 20
12 31 北園克衛 秋の楽事 21
12 32 丹野正 火曜日 22
12 33 菊島常二(菊島恒二) 古い楡の一年の 23
12 34 上田修 秋の言葉 24
12 35 北園克衛 SPHERICAL CONEの果実 25
12 37 江間章子 十六世紀風の絵 26
12 38 西崎晋 Chason sans Paroles 27
12 39 山中散生 Minotaure,etc. 28
12 40 江間章子 宛名ヲ書カナイ書簡 29
12 41 岩本修蔵 不眠の午後 30
12 42 壁谷垣士 睡り男 31
12 43 井上多喜三郎 蜻蛉 32
12 44 桑原圭介 青銅のキリスト 33
13 0 昭和9年2月1日発行 編輯者 北園克衛・岩本修蔵 /発行兼印刷者 鳥羽茂 /発行所 ボン書店 \0.20 0
13 1 Benjamin De Casseres [扉 短章](訳者不詳) 1
13 2 - 目次 2
13 4 北園克衛 批評の出発 3
13 6 塩寺はるよ 水色のランプ 4
13 7 丹野正 デルモゲニイ 5
13 8 桑原圭介 祈祷書の中 6
13 9 壁谷垣士 悲劇役者と 7
13 10 レオン ルモニエ エチュード ランボオとポオに関する(丹野正・訳) 8
13 12 岩本修蔵 北方の花 9
13 13 城尚衛 衣裳、みまかりし喜劇 10
13 14 加藤真一郎 別府解纜 11
13 15 西崎晋 Chason sans Paroles 12
13 16 上田修 13
13 17 佃留雄 世紀 14
13 18 井伊脩三 帰省 15
13 19 岩本修蔵 喧嘩帖 16
13 20 西崎晋 狐物語 17
14 22 桑原圭介 街の風見鶏 18
13 23 綾織雄鶏 An Anthology against Anthology 19
13 24 春日新九郎 詩集の審判 20
13 26 春日新九郎 私の弁解 21
13 27 北園克衛 寒士 22
13 28 田中克己 午後 23
13 29 伊東昌子 日曜日 24
13 30 浦和淳 夢まぢか 25
13 31 小林善雄 滑走せる跫音 26
13 32 大前登與三 降誕祭 27
13 33 金澤福緒 祭日 28
13 34 上野三郎 <科学的>について 29
13 36 西條成子 再会 30
13 37 静文夫 白い忘却 31
13 38 川村欽吾 シユプール 32
13 39 岡本美致廣 献辞 33
13 40 木村五郎 34
13 41 芹澤一夫 絵画便 35
13 42 酒井正平 温雅なる作謀に付いて 36
14 0 昭和9年3月10日発行 編輯者 北園克衛・岩本修蔵 /発行兼印刷者 鳥羽茂 /発行所 ボン書店 \0.20 0
14 1 Horaz [扉 短章](訳者不詳) 1
14 2 - 目次 2
14 4 上野三郎 曲線論 3
14 7 西脇順三郎 喜びの人 4
14 8 酒井正平 窓、風景 5
14 9 左川ちか 会語 6
14 10 芹澤一夫 四句斎 7
14 11 岡本美致廣 睡眠の前 8
14 12 岡山東 新しいサタイアS ルイスとオーデン 9
14 15 西崎晋 Chason sans Paroles 10
14 16 丹野正 フェノメナ 11
14 17 六條篤 白い歯型 12
14 18 川村欽吾 スケエト場附近 13
14 19 (宣言) TEXTE DU CLUB D'ARCUEIL 14
14 20 岩本修蔵 喧嘩帖 15
14 22 桑原圭介 街の風見鶏 16
14 23 北園克衛 農夫へのパラソル 17
14 24 春日新九郎 詩集の審判 18
14 26 エフ デイツク サムプソン 日本の詩(上山育太郎・訳) 19
14 27 浦和淳 傷める星とともに 20
14 28 静文夫 21
14 29 城尚衛 鏡と椅子と 22
14 30 小林善雄 影の生理 23
14 31 壁谷垣士 24
14 32 桑原圭介 窄き門 25
14 33 エドワアド ゼェ オブライェン The little magazines(小栗雋一郎・訳) 26
14 40 大前登與三 27
14 41 加藤真一郎 湯平の温泉茶屋 28
14 42 金澤福緒 曼荼羅 29
14 43 西條成子 独楽 30
14 44 伊東昌子 収穫祭、手の歴史 31
14 46 塩寺はるよ マアブルの晴着 32
14 47 岩本修蔵 不吉なる飾 33
15 0 昭和9年4月10日発行 編輯者 北園克衛・岩本修蔵 /発行者 鳥羽茂 /印刷者 虹霓社 /発行所 ボン書店 \0.20 0
15 1 ロンギノス [扉 短章](訳者不詳) 1
15 2 - 目次 2
15 4 上野三郎 曲線論 3
15 6 (広告) マダム・ブランシュアンデパンダン 作品募集 3
15 7 ポオル エリユアアル 遠近法 4
15 8 丹野正 フィルムダム 5
15 9 西條成子 青き絵筆に 6
15 10 北園克衛 アヒルの祭 7
15 13 大前登與三 若さのなかで 8
15 14 酒井正平 戦記 9
15 15 橋本平八 10
15 17 六條篤 自画像、鏡 11
15 18 塩寺はるよ 祭典 12
15 19 壁谷垣士 ボンジュウル 13
15 20 桑原圭介 錆びた甲胃 14
15 21 浦和淳 古い杖に寄せて 15
15 22 佃留雄 海原はるか 16
15 23 (宣言) TEXTE DU CLUB D'ARCUEIL 17
15 24 岩本修蔵 喧嘩帖 18
15 26 小栗雋一郎(北園克衛) 地獄の一季節 19
15 28 春日新九郎 詩集の審判 20
15 30 東田半平 流行について及び其の他 21
15 31 フレデリツク ルフエブル 秩序ある克服(丹野正・訳) 22
15 34 川村欽吾 La mer 23
15 35 岡本美致廣 眼の窓 24
15 36 金澤福緒 山桜 25
15 37 石野真 こぼれ落ちる栞の中から 26
15 38 伊東昌子 芽、一月二十八日 27
15 39 西崎晋 Chason sans Paroles 28
15 40 岩本修蔵 蒼貌 29
15 41 柚木哲雄 詩の魅力 30
16 0 昭和9年6月1日発行 編輯兼発行者 鳥羽茂 /印刷者 虹霓社 /発行所 ボン書店 \0.20 0
16 1 エズラ パウンド [扉 短章](訳者不詳) 1
16 2 - 目次 2
16 4 丹野正 グルウプの価値 3
16 7 岩本修蔵 若いコロニイ 4
16 8 城尚衛 祭典過 5
16 9 西崎晋 バリイ島以前の癖 6
16 10 北園克衛 メキシコの蝿 7
16 12 木村五郎 貝殻 8
16 13 丹野正 空色の葉書 9
16 14 酒井正平 説語、七日記 10
16 15 塩寺はるよ 愛の日 11
16 16 六條篤 白帆、春 12
16 17 マルコーム カウリ ダダを憶ふ(鐘克東・訳) 13
16 23 小栗雋一郎(北園克衛) 地獄の一季節 14
16 25 岩本修蔵 喧嘩帖 15
16 27 春日新九郎 詩集の審判 16
16 28 丹野正 詩に於けるドア 17
16 29 西崎晋 狐物語 18
16 30 竹中郁 へんな廣告文 19
16 31 加藤真一郎 空の標的 20
16 32 静文夫 祈り 21
16 33 中村干尾 ルビイの谷 22
16 34 浦和淳 海の日、音楽隊 23
16 35 上田修 おほよそ石屋さん 24
16 36 ジヨセフ ウツド クラツチ A POEM IS A POEM(小栗雋一郎・訳) 25
16 39 (宣言) TEXTE DU CLUB D'ARCUEIL 26
16 39 小林善雄 風峡 27
16 40 岡本美致廣 秘めごと 28
16 41 大前登與三 春譜 29
16 42 石野真 おお瓶の中の美しき時 30
16 43 伊東昌子 或る日の賭事 31
16 44 芹澤一夫 Cantique enjoue,e 32
16 45 北原英 音楽 33
16 46 柚木哲雄 詩の魅力 34
17 0 昭和9年8月20日発行 編輯兼発行者 鳥羽茂 /印刷者 虹霓社 /発行所 ボン書店 \0.20 0
17 3 凡兆 [扉 短章](訳者不詳) 1
17 4 - 目次 2
17 6 丹野正 今日の星雲 3
17 8 北園克衛 田舎の太陽 4
17 9 伊東昌子 或る日の賭事 5
17 10 石野真 煙の中の凱歌 6
17 11 酒井正平 肢、洋服店の売子など 7
17 12 TMS 8
17 13 (宣言) TEXTE DU CLUB D'ARCUEIL 9
17 14 ジヤン コクトオ PAR LUI-MEME(北園克衛・訳) 10
17 17 丹野正 望遠鏡のなか 11
17 18 中村干尾 日記 12
17 19 浦和淳 母国語 13
17 20 西崎晋 アドニス祭 14
17 21 井上多喜三郎 目のない体、噴水 15
17 22 小林善雄 砂糖壷 16
17 23 岡本美致廣 流れを傘めて 17
17 24 川村欽吾 土曜日 18
17 25 岩本修蔵 恋の唄 19
17 26 東田半平 戦闘機の理論 20
17 28 岡本美致廣 詩人のStation 21
17 29 亜木朔 Monsieur Peopoe L'Imposteur 22
17 32 壁谷垣士 田舎のアンヂュお嬢さんそれを切つてはなりません 23
17 33 西條成子 プリズムの夢 24
17 34 韓致尭 河畔の家、ともしびに添へて、ギヤラリイをめぐりながら、寒食の夜(岩本修蔵・訳) 25
17 36 山下春彦 禁断 26
17 37 河西廣明 ひじやうじ 27
17 38 岩本修蔵 萬愚節 28
17 39 碓井莱草夫 春景 29

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