も どる
2003年4月 日録掲示板 過去ログ

「藤城遺稿補注」 投稿者:やす  投稿日: 4月29日(火)15時08分14秒

 昨日著者の西部文雄氏より御返信あり。「藤城遺稿」複製ならびに「補注」は既に在庫払底、著者分含めて僅かに二部より手許にない由、しかしながら 「一番下の娘を嫁がせるような気がいたします」とて最後の一部をお贈り頂けるとの望外の内容に抃舞(GRAPEFLUITMOONさま恩地さま、済みませ ん)。近在でもあり直接御挨拶にも上がるべきところ、まづは御礼状など考へながら、本の到着を固唾を飲んで待ってゐる次第にて(わくわく)、すわ郵便やさ んと迎へしが、なんとこはkiku隊員からの贈り物。同人誌「δ」最新号とJIN隊長のバンドのCDなり(こちらの礼状も別便にて認め候)。

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目録がいろいろ。 投稿者:やす  投稿日: 4月28日(月)18時00分40秒

久しぶりにやりますか。

雄峰堂書店 fax 0422-37-3940 『藏原伸二郎小説全集(文集)』1976 \2800
才谷屋書店 tel 0422-53-8581 『猫町』1935(復刻)1978 \3.000

なんてのはどうでせう。
ぼくは『佐藤惣之助覺え帳』と大野良子の『馬頭琴』を注文です(いいのかな何でも喋くっちゃって)。
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更新記録 投稿者:やす  投稿日: 4月28日(月)17時07分11秒

ゴキたん隊隊長より頂いた
詩誌「詩人時代」第5巻2号(昭和10年2月号)より、

「井口蕉花の追憶」坂野草史
「青木茂若への追憶」伊藤和 をそれぞれ井口蕉花、青木茂若の詩集書誌末尾に追加upしました。

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まいどー 投稿者:ゴキタン隊々長  投稿日: 4月26日(土)01時19分28秒

シブヤ テイスケ【渋谷定輔】『野良に叫ぶ』1926/萬生閣/175p/20cm四六版

シブヤ テイスケ【渋谷定輔】『野良に叫ぶ』1926/萬生閣/14,7,175p/19.0cm上製カバー/\1.00
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お禮 投稿者:GRAPEFLUIT MOON  投稿日: 4月25日(金)15時42分17秒

 やす様
 「cogitoの贈り物」といふお心遣ひありがたふございます。
 藤城に関しては、私はこれで充分です。
 UPされた軸はウブ装ではなくて最近表装し直した物ですね。
 軸装代だと思へば安い物ですが何故、函が無いのでせう。
 一点だけに絞るのなら是非、時代装をお奨めします。
 お床に掛けた折の雰囲気が全く違ひますよ。
 為書と大幅であることも含めて、やはり買ひじゃ無いと思ひますが、
 恩地様のご意見は如何。
 秋水らに比して藤城は数は少ないでせうが、そろそろ世代交代で
 市場に出てくる頃ではないでせうか。ご隠居さんが減ってきたといふことは
 逆にそういふことでせう。
 さるにても、西部文夫といふ方には早急に連絡を取って是非、訪ねるべきでは。
 この軸の写真も見てもらへばどうでせう。 
 書画に関してはN画廊のO氏に相談される方がいいと思ひます。

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村瀬藤城書軸 投稿者:やす  投稿日: 4月25日(金)08時08分39秒

GRAPEFLUITMOONさま

さきの古書店でみかけた書軸、upし直しました。
件の画廊には初心者向きに何か値の張らないものはないか一度訪ねてこようかと思ひます。

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/1834/tojo-jiku.html

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村瀬藤城文献について 投稿者:やす  投稿日: 4月24日(木)21時40分23秒

恩地喜多八さま・GRAPEFLUITMOONさま

 お尋ねの藤城文献ですが、「村瀬藤城の生涯」は本日ふたたび美濃市中央公民館まで行って2冊買ってきましたのでこちらからお送り致します。これは 美濃市史別巻として出された「村瀬藤城と秋水」(市原三三著, 美濃市教育委員会,1969,180p; 19cm)といふ本のダイジェスト版とかいふことで、内容も市民向きに易しく書き直されたパンフレット風のものですから、態々お金と手数を掛けてまでして 求めるには及ばないものです。このさきもまた何やかやと御教示にあづかることも多いかと存じますし、今回は岐阜土産「cogitoの贈り物」としてお納め 頂ければうれしく存じます。
 ただし(!)今日行ってぢろぢろ見渡してきたところ、他にも図録があることが判明。こちらはちと持ち合はせがなくって自分の分より買ってこれませんでし た(なんやそれ 笑)。しかし薄っぺらなのにひどく高いので、よほどこのひとに入れ込んでなければ、こちらも遠方の方々が買ふ品物では無いものと存じま す。

 さて本日、After5にわざわざ隣街まで出かけて行った真の目的はといふと、実は関市図書館へ行って、気になる書誌の実物を確かめに行ったので あります。

「藤城遺稿」(1999年,西部文雄,私家版,75枚; 24cm)昭和2年刊の影印複製
「藤城遺稿 : 補注」(1999年,西部文雄,私家版,57,39,27枚; 27cm手書き原稿版)注釈・訓読

 「郷土史家」とひと括りに云っても、戦前生まれの漢籍の素養のある御隠居みたいなひとは、世の中にもうほんのいくたりも残ってはをらず、さきに笠 松の儒者伊藤冠峰の本を出されたひとのことを記しましたが、村瀬藤城に関しても辛うじてさういふ在野の研究者がおみえになって、独力でこんな書物を(しか も手書き原稿版!)著してゐるのを知って、もう驚嘆してゐるところです。
 自分は昭和2年刊の初版詩集を知りませんし、仮令所持できたところで懇切な注釈がなくては読むことすらできません。そこでなんとかこの私家版の「復刻版 +注釈」セットを入手すべく、著者の西部さんまで御手紙を認めて、残部があれば頒けて頂けないかお願ひしてみようと思ひ立ちました。こちらの本の方は、そ んなで、暫くどうなるものか見守って下さいませ。残部沢山あると嬉しいのですが。

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/1834/tojo.html

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続「白鴎社」情報お礼 投稿者:GRAPEFLUIT MOON  投稿日: 4月24日(木)12時47分09秒

 やす様

僕もずっと「白鴎」にとらわれ過ぎて、「盟社」には気が付きませんでした。
白鴎は鴎そのものを意味するのだと思います。青鴎社というのも聞いた事がありますが。
「鴎盟」は「隠居して鴎と友となる」と辞書にありますし、結社の名としては自然ですね。
やすさんが参加を拒否しているスッキーさん達の同盟は桃盟社になる訳ですね。
調べてみたら江戸文人が最も影響を受けた宋の詩人たちも「鴎盟」という語をよく用いて います。
黄庭堅も「此心吾与白鴎盟」と詠んでいました。
かへって新潟と岐阜の関係が薄くなってしまったような気がするんですが、恩地さん   いかがでしょう。

僕も「村瀬藤城の生涯」を入手したいのですが、これは美濃市に依頼すればいいのでしょうか。やはり地元の利ですね。「梁田蛻巌全集」も明石市が出版 しています。

 恩地様 如亭とその周辺についての新発見とは。期待しています
僕は書物とは関係ないところで飛ばしすぎたのか、体も車も壊れてしまいました。

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神姫 投稿者:ゴキタン隊々長  投稿日: 4月24日(木)01時39分56秒

アンソロジー シンコウシ・ズイヒツセンシュウ【生田花世 】『新興詩・随筆選集』1932/詩と人生社/2,3,
2,224p/23.1cm並製/\1.50
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「白鴎社」情報御礼 投稿者:恩地喜多八  投稿日: 4月24日(木)01時27分53秒

やす様

「白鴎社」の件、情報ありがとうございます。ちょっと、「なるほど」と思わせる情報です。
というのも、新潟で上木された「白鴎吟社詩」の外題が「鴎盟集」となっており、その続集も
「鴎盟集二集」(だったと思う)の題を持っているからです。(ともに大変な珍本です)
ご購入された資料、
 「村瀬藤城の生涯」(市原三三著,1992年,美濃市刊,122p;19cm,\1.000)
を私も欲しいのですが、入手方法を教えて頂けますか?
それから、近々、如亭とその周辺に関して、大きな発見ができるかもしれません。
具体的になったら、ご報告します。

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一日飛ばしで新奇 投稿者:ゴキタン隊々員壹  投稿日: 4月24日(木)00時46分44秒

オウ ヨウセイ【王榕青】『花蜜園』1950/馬雪(ふねへん+令)(発行者)/150p/18.5cm 上製 限定400部 値段なし
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まだまだ続くよ 投稿者:ゴキタン隊々長  投稿日: 4月22日(火)23時53分18秒

ツムラ ノブオ【津村信夫】『父のゐる庭』1942/臼井書房(京都)/95p/22cm菊版上製函

ツムラ ノブオ【津村信夫】『父のゐる庭』1942/臼井書房(京都)/95p/21.2cm上製函/\2.50
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まだやるのか 投稿者:ゴキタン隊々員壹  投稿日: 4月22日(火)01時05分52秒

シムラ タツオ【志村辰夫】『新フィレンツエ』1942/アオイ書房/95p/22cm菊版函

「新フィレンツェ」日本愛書會 21.7(本体) 上製 \3.50 限定150部

後書きにアオイ書房主に感謝の意は示しているので、アオイ書房発刊もあるのかもしれませんね。
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新規 投稿者:ゴキタン隊々長  投稿日: 4月21日(月)23時51分28秒

ツチヤ ヤスオ【土屋康雄】『富士の瞳』1935/谷島屋書店(静岡)/10p,160p,4p/19.5cm上製函/\1.00
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しげじ 投稿者:やす  投稿日: 4月18日(金)10時09分56秒

中野は「しげはる」で壷井は「しげじ」なのか。ふ〜ん(・η・)(よくわからないけど納得顔)。

追記
序でながら「はいしま」も「なかしま」も濁りません。
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しげはるなの 投稿者:ゴキタン隊々長  投稿日: 4月18日(金)00時54分00秒

ツボイ シゲハル【壺井繁治】『神のしもべいとなみたもうマリア病院』1947/九州評論社(佐世保)/204p/16cmA6版

ツボイ シゲハル【壺井繁治】『神のしもべいとなみたもうマリア病院』1947/九州評論社(佐世保)/204p/16.0cmA6版/\35.00
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(無題) 投稿者:やす  投稿日: 4月17日(木)08時44分13秒

ゴキタン隊長さま
淺野晃で『東洋の理想』が抜けてゐたのはなんとも失態でした。
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新規 投稿者:ゴキタン隊々長  投稿日: 4月17日(木)03時45分48秒

アサノ アキラ【淺野 晃】『東洋の理想(訳書)』1939/創元社/202p/18.8cm上製カバー/\1.00
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続「白鴎社について」 投稿者:やす  投稿日: 4月16日(水)23時56分56秒

恩地喜多八さま・GRAPEFLUITMOONさま

今日、仕事を早めに切り上げ美濃市中央公民館へ立ち寄り、

「村瀬藤城の生涯」(市原三三著,1992年,美濃市刊,122p;19cm,\1.000)

といふ生誕二百年記念に刊行された小冊子を買ってきました。村瀬藤城のことが単独に書かれた本は恐らく本書だけでありませう。で、ぱらぱらめくって みたらば白鴎社の名の由来について意見が書いてありました。

「…白鴎の名は鴎盟という語からで、鴎盟という語は浮世を外にした会合で、鴎が砂州にのどかに群れ遊ぶように、というのだからこの詩社の性格も想像 される。」

ふぅん。で、すかさず「鴎盟」で検索をかけたところ、「續近世畸人傳」中に
「鴎社あうしや(*俗世間から離れた風流の交わり。鴎盟。)をなす。」なんて言葉も引っ掛かってきた次第であります。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~Taiju/str_06.htm
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「日本古書通信」 投稿者:やす  投稿日: 4月16日(水)23時07分35秒

「日本古書通信」本日落手。東京とは丸と一日のタイムラグがあるやうだ。こりゃ先着順の目録には勝ち目は無い筈。
 幸ひ今回は欲しい本がなかったけど、「くしょ〜っ!痛心。」

(-∀-;) U^ェ^;U ちとハズカシイカモ。

↓カバーがあるらしいです。定価は以前指摘されたのですが…
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訂正と訂正とツブヤキ 投稿者:ゴキタン隊々員壹  投稿日: 4月16日(水)07時58分23秒

ヤマカワ ヒロシ【山川弘至】『ふるくに』1943/大日本百科全書刊行會(まほろば叢書 2)/170p/B6版上製

5,8,150p 18.6cm \1.50

ヤマカワ ヒロシ【山川弘至】『近世文芸復興の精神 : 日本の自覚と国学の源流(文集)』1943/大日本百科全書刊行會(まほろば叢書 2)/271p/19cm

これもまほろば叢書なのかな

↓カバーがあるんですね。定価は以前指摘したのですが…
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訂正と新規 投稿者:ゴキタン隊々長  投稿日: 4月16日(水)02時09分31秒

ニシベ リセン【西辺利仙】『無詞歌』1944/清墓社(京都)/312p/21.7cm上製函300部限定/\

ニシベ リセン【西辺利仙】『無詞歌』1944/清墓社(京都)/312p/21.7cm上製カバー函300部限定/\14.00

テラダ ヒロシ【寺田弘】『骨』1931/中堅詩人會(福島)/65p/18.7cm上製函/\0.50
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攻撃はリョクトンのみにあらず。 投稿者:cogito  投稿日: 4月14日(月)07時36分33秒
 

     Å   な、なんかいった?
   ( ̄η ̄*)
  /≡≡≡/| 
 | ̄ ̄ ̄ ̄|   |
 | みかん |/
  ̄ ̄ ̄ ̄
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魔が差したのだらうとは思ひますが 投稿者:彭城矯介  投稿日: 4月14日(月)02時21分26秒

イトウ シズオ【富士正晴編】『伊藤静雄研究(評論)』1971/思潮社/865p/22cm上製函

×伊藤→○伊東

下の「ロシアと村上春樹」の文中の「小生身も蓋もありません。」つて、もしかしたら
「身の置きどころがありません」とか「なす術もありません」と言ひたいのかな?

強ひて言へば、「滿州」も「滿洲」の方が望ましいでせう。(ウルセーナ!)
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ジョークだろうとは思うけど 投稿者:ゴキタン隊々長  投稿日: 4月13日(日)23時16分04秒

間が刺した

魔が差した
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【書評『ねじまき鳥クロニクル』について】 投稿者:やす  投稿日: 4月13日(日)21時19分42秒

 最初は軽い読み物のつもりで、このひとの文体の持つテイストを、つまり気の利いた詩的形容やディテールへの拘りを「かういふのがいまどき人気のス タイルなんだなー」と、彼が影響を受けた先行作家を知りませんから、感心しながら読んでゐました。いまどきといっても書かれたのは十年前だから、バブル景 気からパソコンや電話やDCブランドといったディテールに至るまで、今とは勿論違ってゐます。しかしそれは丁度ぼくの失業期間の支離滅裂な半年間のことを 思ひ出させ、世代を同じくする主人公に何かしら感情移入する緒もつくったやうでした。ただ大きく違ってゐたのは主人公には配偶者がゐるってことでしたけ ど。
 人気作家といふ先入観で読み始めて、読後感といふのはいったいこれを、例へば若い女性が読んでどう思ったらうか、といふ素朴な疑問です。確かにショッキ ングな性描写や残虐描写は、女性読者の眉を顰ませたらうけど、それをもってこの小説の特色とするには当らない。単にどぎついだけのものはもっといろいろ出 てゐるだらうから。時間の経過と共に遠い過去になってしまった日本の「戦争」について、そこに存在した非日常の悪夢のリアリティを、仕事と妻を失って生活 のなかに垣間見るやうになった非日常の悪夢のリアリティと結びつけ、さらに主人公の“いまどきライフスタイル”と同時並列描写してゆくことで、歴史嫌ひの 現代読者にとにかく食べさせてしまはうとした趣向は悪くない。
 しかし主題はあくまでも戦争の歴史性ではなく、歴史の不条理性に向けられてゐるやうだ。社会性を完全に喪失した場所でひたすら思念に集中する主人公だ が、実のところ、実存の深淵の階段を降りて行ったところで本物の超常現象に出会へる筈もない。これは読み物であるから当然なのだが、発想としての「井戸」 なども、「リング」やオウム真理教の修行方法などを連想させ、何かしら世紀末ポップオカルトのにほひが濃い。ただ道具立てに用意される超能力は、小説のリ アリティを保持するために譲歩ぎりぎりの「温和な荒唐無稽」にとどめられてをり、物語の眼目はまた、ストーリーの結末よりも、運命の不条理と弱肉強食の条 理に翻弄される闇世界の数奇な年代記を読者が遍歴させられるプロセスにある(やうにぼくには思はれた)。まぁ、いろいろな謎が謎のままほったらかしにされ た代りに、作者は最後に主人公をめぐる単純な善悪対立だけは明確にさせて読者の一応の納得も得た恰好だ。

 「落ちつくところに落ちつく」生活と「行けるところまで行ってみよう」といふ生活のどっちつかずの間で、ひとは運命に流されて生きてゆく。どうや らモラトリアムのあがきもそろそろおしまひで、死と老いについて考へさせられ、真に自由の場所はとどのつまりが表現の世界にしかないといふところで、今日 の読者はこの謎だらけの問題作品に積極的な意義を見出すべき、といふことにでもなるのだらうか。けだし岡田トオルの手にした超能力とは、到来なんぞを待つ べきものではなく、(作者にとって)自ら想像し行使したところのツールであったことを、夢見る読者たちは不取敢知るべきであらう。

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ロシアと村上春樹 投稿者:やす  投稿日: 4月13日(日)20時28分08秒

ゆきどんさま
 
 詩づいてますねー(笑)。ロシア文学は、昔チェーホフとドストエフスキーを読んだきり。詩を原文で読んでる“りょくちゃん攻撃”には小生身も蓋もありま せん。詩的描写といふことなら、チェーホフの「アガーフィヤ」といふ短編に出てきた川縁の夕景なんかが、今だにぼんやりと胸に焼き付いてゐます。
 ロシアではいま、日本の人気が高いみたいですね。日本の対ロシア感情とは釣合ってゐないらしい。焼き鳥屋から村上春樹まで、文化面から現在の日本が評価 され受け入れられてゐる、といふやうなことが今月受入の「外交フォーラム」や「週刊読書人」に書いてありました。
 その村上春樹ですが、昨日一昨日と一気に「ねじまき鳥クロニクル」といふ本を読み通してしまったところです。以前毎朝少しづつトイレの中で読んでゐて、 ほって置いたのを半年ぶりに再開したんですが、第一部の後半、さう、戦前の満州が出てくるところで「え?」と首ひねってから、あとはそのまま捨ておけず、 この週末にかけて3日間読み続けてゐたんです。ロシアではこの自国の歴史にもいろいろ言及されてゐる作品はどんな風に受容されてゐるんでせうね。“牛河” なんて極めて“ロシア文学的”人物なども出てきますしね。
 ぼくは小説はほとんど読みませんけれど、さうして所謂現代小説の類は一切読んだことがなかったのですが、間が刺したと申しませうか(笑)、図書館員とし て今どき人気のある作家の本をせめて一冊位は目を通しておくべきだらうと思った、といふのは殊勝な言訳で、実はなんか心がものさびしくなったからなんです が、どれが良いのか選ぶのに困ったとき、福田和也氏がこの本を推してゐたのと、たまたま古本屋で厚ぼったい三冊揃が900円で店晒しになってゐたからであ りました。

 さて一部で大人気の「さいちゃんまんが」ですね。今回の連載はSalonのみんなも固唾を飲んで見守ってをりますよ。

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プーシキンなど寝しなに 投稿者:雪達磨  投稿日: 4月13日(日)02時46分16秒

やす様

今日はからゴキタン隊々員壹からお借りしました『近代ロシア詩集』樹下節訳を読んでおります。
フランスの詩人は若いときから、なんとなく読んできたつもりだったのですが、
はじめて読むロシアの詩人の言霊に心躍らせております。
プーシキンもとても気に入りましたが、ネクラーソフの「旅行家」ギッピウスの「あいつ」が
とても心にしみ入ります。しばらくして読むとまた別の詩が良いと思うのでしょうが。

ゴキタン隊々員壹へ  

詩はいっぺんに読めないのでもうしばらく借りておきますね。すいません。
さて、今日は小説を読む体力がないので久しぶりに清方の随筆でも読んでみます。
隊長は無事帰還されたでしょうかね。雨だったのでちょっと心配です。

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(無題) 投稿者:やす  投稿日: 4月 9日(水)20時51分41秒

JIN隊長

早速のレスをありがたうございます。ほんとに貴重な書誌資料ですよね。
西村様の大学の紀要は既に電子化・Web公開されてゐる由、
もし実現の運びとなりましたら、西村様にお伺ひの上、あらためて御案内させて頂きたく存じます。

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Re:『風流陣』書誌 投稿者:JIN  投稿日: 4月 9日(水)20時26分07秒

私の浅はかな知識内では『風流陣』総目次の存在は知りません。
根拠のない気分で発言させ頂ければ、なさそうな気がします。

書誌のポインタばかりを集めた本(**の総目次は**に掲載
というような情報を集めた本)を見た憶えがあるのですが、
書名が全く思い出せません。それを一応チェックしたい所です。
でも書名が分からないのではでは探しようがないですね。
役にたたずすみません。

1冊欠けは惜しいですね。それでも個人的にはとても欲しいデータ
でございます。該「大学の紀要」が出ましたらぜひ入手したい
のですが、可能でしょうか?
# 電子的な公開が可能なら嬉しいのですが、政治的には難しそうですね。

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『風流陣』書誌に関するレファレンス【転載】 投稿者:やす  投稿日: 4月 9日(水)17時40分08秒

お世話になってをります京都の西村将洋様より、『風流陣』に関するレファレンスを頂きました。「モダニズム隊」他みなさまからの御教示を願へれば嬉 しく存じます。

北園『句経』の周辺を調べている過程で、『風流陣』総目次のようなものが出来上がってしまいました。(但し、神奈川近代文学館に所蔵されていない第 66冊の終刊号は未見です。)できれば大学の紀要に載せたいと思っているのですが、今までに『風流陣』総目次等の紹介が行われていないか御存知ではないで しょうか。
『青芝』八十島稔追悼号などの周辺の資料は一応調べましたが(あくまでも「一応」です)私家版などでそのような資料紹介が行われていないかを調べていま す。
もし御存知でしたら、是非とも御教示をお願いします。

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ゴキタン隊々員壹よ 投稿者:ゴキタン隊々長  投稿日: 4月 9日(水)13時06分16秒


そうだろうと思うのが自然だが現物はさにあらず
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おせっかい 投稿者:ゴキタン隊々員壹  投稿日: 4月 9日(水)12時07分20秒

労農藝術家聯盟文学部編

勞農藝術家聯盟文學部編

かな。
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帰って来たよ 投稿者:ゴキタン隊々長  投稿日: 4月 9日(水)01時04分39秒 訂正 投稿日: 4月 9日(水)03時47分34秒

アンソロジー ブンセン1931ネンシュウ【労農藝術家聯盟文学部編 】『文戰1931年集』1931/改造社/5,549p/18.5cm並製/\1.80
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脱兎のcaprice 投稿者:ゴキタン隊々員壹  投稿日: 4月 8日(火)23時07分42秒

國民詩 第二輯 中山省三郎編 第一書房 1943 402p 上製カバー帯 18.7cm \2.00 3000部
第一輯は所有していないので分かりません。
因みに、巻頭に田中克巳 「高原」と云う詩が掲載されております。

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(無題) 投稿者:やす  投稿日: 4月 7日(月)23時03分41秒

くだん様 ありがたうございます。

「霧の山稜」はゴキ探隊本部に一杯並んでましたね。
「山の絵本」とならぶ詩情派の“山の名著”であることを最近知りました。
どちらも折を見て初版函付きを入手致度く存奉候。って函あるのかな?

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加藤泰三の詩集 投稿者:くだん  投稿日: 4月 6日(日)23時43分03秒

やす様
病み上がりとのこと、ご無理なさらぬよう充分睡眠をとって下さい。

加藤泰三の「仄かなるもの」復刻は良いですね。私も好きです。
泰三の、よりポピュラーで何度も再版され、現在も平凡社ライブラリーで入手可能な
「霧の山稜」もいずれ、やす様の詩集目録に入れて下さい。
「仄かなるもの」と一緒に入手されましたか?

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病み上がり日録 投稿者:やす  投稿日: 4月 6日(日)21時02分28秒

例の宴会から一週間たってやうやく心も落ちつき、病み上がりの身ながら、頂いた詩集のあれこれを少しづつ眺めてゐる。
 「転身の頌」では集中一番好きだった"抒情即興"といふ詩を久しぶりに眼底に刻印した。この詩と当時の写真(萩原朔太郎と一緒に写ってる)にあこがれ て、何度も季節はづれの鎌倉の海辺を訪れた古い記憶もよみ返った。
 献呈宛名の削除とともに、鉛筆線に沿って短冊に切り取られた112ページの謎も今は定かではない。後年、著者からの要請によって実家に在ったと思しきこ の本から紙見本なんかの為に切り取られたのであらうか。

 戦前アルピニスト加藤泰三の手編の詩文集「仄かなるもの」(昭和8年)復刻(1986)も、冒頭の散文からちょっとした個人的な感慨も手伝って引 きこまれて仕舞った。

「そこは絶えず渓流の響が聞る處だった。
 そこの部落の人々が大空に星影を一つふやして、この人の世に人間として生れ、
 再び星影を消してこの人の世から永遠に去る時まで……ずっと耳にする……とうとうたる渓流の響。」

小品に於ける微細な描写に手堅い写生を感ずる。その神経は感傷に乗じてふしぎな存在感を与へる。

「ささやかな細流(せせらぎ)の音にも 青空に浮ぶ硬い梢にも 時をり 強く近づく凧のうなりにも……春は近づいてゐた」
「雨傘から床に傳り、まるく溜って車体の震動のままに、びりびりと搖てゐる雨水の搖れ。」

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(無題) 投稿者:やす  投稿日: 4月 6日(日)20時56分53秒

波江さまが執心されるいろは歌は漢詩の平仄とは違って逃げ道の無いパズルですから後半やはりきびしいものがありますね。某掲示板に於ける波江さまの キャラクターは、かなり戯画的です。ここでは一切の難詰はありませんけれども、なほ時事からも離れ、思ひを他者へ伝へるやうな表現苦心に就いて、よろしく お願ひを申し上げます。

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いろは実況 投稿者:波江究一  投稿日: 4月 6日(日)15時23分28秒

自爆の眼

自爆の眼
天睨む路地
鬮ぎ合ひ融け行かぬ
世を訴へ燃え
末襲ふ災
練り居る身や

しはくのまなこてんにらむろちせめきあひとけゆかぬ
よをうつたへもえすゑおそふわさねりゐるみや

丸腰日本

丸腰日本の
見えぬ行方を問はむ
老いや若さ
争ふ末も
浮き寝よろけ居て
日向責め散れり

まるこしにつほんのみえぬゆくへをとはむおいやわかさ
あらそふすゑもうきねよろけゐてひなたせめちれり 

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モダニズム詩防衛隊情報ほか 投稿者:やす  投稿日: 4月 5日(土)22時28分43秒

郡さま「モダニズム詩防衛隊」へ、タレコミ情報をありがたうございました。
「府中市郷土の森博物館ブックレット3 詩人村野四郎」64p/\800
2003年2月15日発行/編集・発行 府中市郷土の森博物館。

JIN隊長から頂いた詩集「銀河」の比良勢津子、及川均の奥さんなんですね。
ぼくは旦那の詩よりこっちの方がいいなぁ(笑)

ymnkさま
今年の風邪は喉にくるみたいです。

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御礼 投稿者:ymnk  投稿日: 4月 3日(木)23時46分34秒

やす様
早速スキャニングしていただきましてありがとうございました。
ご体調の悪いところ、ご面倒おかけしました。
最新号は図書館でもコピーできないので助かります。
取り急ぎ御礼まで

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引き続きよろしくお願い致します 投稿者:JIN  投稿日: 4月 2日(水)16時35分00秒

やす様

先日はありがとうございました。何だかもっとお話したいことが
あったはずなのですが、病み上がりでわけがわかりませんでした。
が、無理して行ってよかった。皆様に風邪がうつっていないことを祈ります。
そんなこんなで、こちらでは引き続きJIN隊長でお付き合いくださいませ。

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訂正 「成城文藝」→「成城国文学」 投稿者:やす  投稿日: 4月 2日(水)12時41分58秒

ymnkさま
「成城文藝」ではなく「成城国文学」vol.19の誤りでした。訂正します。
「半眼微笑」(古川書房,1983)に未集録の短文8編を、故人の懐旧譚とともに収めます。
非売品の冊子なので成城国文学会から寄贈を受けるよりほかありません。ただし御指摘の一文は「三島由紀夫の誕生」といふ、ごく短いもの(2p)なので、ス キャンしたのを後日お送りしますから御回覧下さい。

JIN隊長@雑誌中毒さま
こちらでは引き続き「隊長」で御願ひを申上げてよろしいのでせうか。
会では詩集の御土産をありがたうございました。
その後隊長の体調は如何、私も只今同じく鼻声、頭が重くて退潮なギャグしか飛ばすことができません。

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御礼、及び 投稿者:ymnk  投稿日: 4月 2日(水)04時55分01秒

やす様
先日はお疲れ様でした。お宝ともども無事ご帰宅されたようで何よりです。
また、写真もありがとうございます! 早速拝見しております。
で、「成城文芸」で池田勉特集?!
池田勉、文藝文化、三島・・・とくれば、これは聞き捨てなりません。もし入手法
などございましたらお教えください。

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こちらこそ 投稿者:風信子  投稿日: 4月 2日(水)01時17分58秒

やすさま
KIKUさま

こちらこそ、おいでいただき、ありがとうございました。
その上、杉山先生の付き人に勝手に任命してしまいまして・・・
愉しかったご様子で、ホッといたしました。

記念館には、いつでもお出かけください。
私はほとんどおりませんが、受付には両嬢が交代でおりますので、
お気軽に声をかけて、なんなりとお申し付けください。

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改めまして、こちらでも御礼 投稿者:kiku  投稿日: 4月 1日(火)03時42分04秒

やす様

無事ご帰還された由、お疲れ様でした。
ついにお会いできましたね!29日は、文字通り“おみそ”として一日同行、また杉山平一先生にご紹介、お昼までご一緒させていただきました事、改めて感謝 いたします。
杉山先生には、ご著書『戦後関西詩壇回想』にご署名を賜り、また、先だっては一瀬稔先生にご著作『忘れ得ぬ人々』をご恵送いただいたりと、図らずも続けて 先達詩人の貴重な証言に遇する格別の機会を得る事が出来ました。これ全て、やす隊員のお陰に他なりません。メールにて拝受致しましたデジタル画像も、早速 保存させていただきました。数々のお心遣い、本当にありがとうございました。

風信子様

準備や進行でご多忙、かつお疲れの中、色々とご配慮いただき、本当にありがとうございました。開館6周年記念特別展、とても素晴らしかったです。 せっかくなので、同好の友人にも是非とも見せたく、会期中にまたお伺いするつもりです。今後とも、よろしくお願いいたします。

ゴキタン隊々長様

わたしまでBatman Carに同乗させていただき、ありがとうございました。お花見会でのお話で畏敬の念はより増しましたが、親しく声を掛けていただいたお陰で、ちょっぴり怖 くなくなりました。