「黄眠草堂」扁額(飯田市日夏耿之介記念館) クリック(拙宅扁額)
2023.06.09 update
近代文学に係はるホームページを眺めてゐると、実に様々な篤志家の個人サイトが開設されてゐることに驚きます。
冊子体の同人誌が全国各地で同人高齢化のうちに先細りしてゆくのを見る現状において、
地域を超え世代を超えてリンクが広がってゆくインターネットには、孤立点の集合に過ぎなかった奇特なディレッタントを繋ぐ新しい媒体としての可能性があるのではないでしょうか。
運営に係り知遇を忝くしてゐるサイト各位の御厚情に対し、あらためて御礼を申し上げます。
近代文学古書 「稀覯本の世界」 貴公凡さん(奈良)
戦前の稀覯文学書と雑誌について、永年の探求成果を披露する書誌・書影サイト。
併設の「Salonde書痴」掲示板は2004年末に閉鎖されましたが、過去ログにおいて明治大正昭和初期の文学書に関するあらゆる質問に回答してゐる二人の超弩級コレクターの片方がこちらの管理人。
現在このサイト管理のハード面でも多大な御助力を賜ってをります。
モダニズム詩 「moonymoonman」 加藤 仁さん(東京:閉鎖)
北園克衛に関する資料収集の傍ら、戦前詩誌の目次公開を続けてこられましたが、惜しむらくgeocitiesサービス終了に伴ひ閉鎖。「Salonde書痴」以来の拙サイト盟友。
『四季』同人 小山正孝 「感泣亭・小山正孝の世界」 小山正見さん(横浜)
四季派第二世代の詩人、小山正孝の詩業顕彰HPを御子息が運営。2006年発刊の年刊雑誌『感泣亭秋報』は四季派詩人研究に不可欠の文献。
『四季』同人 立原道造「立原道造記念館」 (東京:2011年閉館)現在状況を発信中。
『コギト』同人 中島栄次郎 「South Island(癒しの楽園)」
保田與重郎が同人のなかで最も一目置いた思弁的評論家。コギトの四天王と呼ばれ、田中克己の親友でもあった中島栄次郎の足跡を、貴重な資料とともに御遺族(姪御の御子息)が紹介されてゐます。
『コギト』同人 服部正己 「服部正己記念館」
海外ではドイツ文学に拠ったコギトの学識的側面を、松下武雄とともに担った服部正己について、御曽孫が祖母の証言ほかを紹介。2016年8月開設〜。
文学・美術・古書 「daily-sumus デイリー・スムース」 林 哲夫さん(京都)
抽き書きを古来「随筆」と呼ぶ慣はしなれば、日仏文学の詩・書・画+装釘の四絶に遊ぶ浩瀚な読書録はまさしくネット上に存在する現代随筆のお手本。
文学・古書 「高橋輝次の古書往来」 高橋輝次さん(神戸)
関西の古本界隈には周知の古本ライター。創元社の元編集者であり今も書信でやりとりされる氏のブログは誰かが管理してをられるのかな。
古書との出会ひをルポルタージュ的に記しながら、その都度彼らの背景を説明してゆくといふ古本逍遥エッセイのスタイルを確立。
山岳写真と平和哲学 「薄明の時代の詩人」 schaleさん(スイス)
スイスの山稜をはじめとする風景写真に合せて、詩と平和とに関する断章が、実存主義に列なる詩人哲学者たちをトリビュートしながら綴られてゐます。
現代詩のアーカイブ 「Crossroad of word」 塚田知雄さん(神奈川)
明治・大正・昭和・平成の詩の中から“「言葉の持つ力」を感じさせてくれる詩”を選択して紹介する瀟洒なレイアウトのサイト。
拙詩もChronologyの末席にて紹介に与りました。
浅野晃オーラルヒストリー 「浅野晃先生の部屋」 野乃宮紀子さん(岩手:閉鎖)
立正大学の愛弟子によって「浅野晃先生の話を聞く会」における詩人の談話が文字に起こされ公開されてゐました。残念ながら消失を確認(2023.06.09)
江戸時代漢詩・山岳詩「従吾所好」 西岡勝彦さん(大阪:閉鎖)
自身の山旅をもとに構成された散文詩と写真の世界、また一方で富岡鐵齋に親炙する魅力的なサイトでした。
現在ブログ「空林閑語」のみ遺して休止中。
耽美文学 「DASKABINETTDESDR.YAMANAKA」 YAMANAKAさん(東京:休止中)
三島・谷崎をはじめとする耽美・シュルレアリズム系文学者に篤い。掲示板 「月下の宿帳」の古いコメントを読むと「Salonde書痴」開設前夜のことがわかります(teacup閉鎖に伴い消滅)。
「世界をロマン化せよ!」 「悪麗之介for満保魯志社」悪麗之介さん(大阪:休止中)
掲げる「ロマン」は後退を拒絶するノヴァーリス的精神によるもの。昨今の右傾化する日本を案ずるコスモポリタン読書人。革新系文学者に篤い(休止中)。
漢字とかなづかひ 「言葉言葉 言葉」 野嵜健秀さん(横浜)
「歴史的かなづかひ」の正しさを広めるべく、國語問題を中心としたポレミックな評論活動をネット上で展開。保守系文学者に篤い。
サブカルチャーと伝統 「奇魂くすみたま」 高坂相さん (京都:休止中)
「伝統が自由な思考を可能に」し「そして、自由がなければ、伝統は滅び去るだろう。」といふ趣旨のもと、サブカルチャーと伝統にまつはる新旧硬軟の話題を同人誌とともに展開(休止中)。
詩人の年齢 「いま(当時)、何歳?」 日/当時が何歳かを満年齢と数え年で計算します。