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やまかわ きょうこ【山川京子】『歌集 新月』1947歌集 新月
山川京子 処女歌集
昭和22年5月20日 白藤書社刊
148p 20.3cm×14.3cm 和装 ¥50
長良川 1 2
【抄出】今日よりは吾にもたふときふるさとよ長良の水も吾とみとめよ
奥美濃の清き山河に似たるかも君がなさけと吾のまことと
山奥津城 1 2
【抄出】山国のその奥山の山奥の御墓辺に坐し涙とどまらず
みこゑ 1
月夜 1
【抄出】たうたうとひねもす絶えぬ瀬の音の君にはなれぬわがおもひかな
新月 1 2
【抄出】新月の出でましけるよと言立てむひとはろけきに涙あふれぬ
どんぐりはわが両(もろ)の手に溢れたりこころやさしくなりまさりつつ
さきはひ 1 2
寒夜 1
【抄出】白雪に埋(うづ)もれにけむふるさとの山おくつきのひそけさ思ほゆ
さやかなる星空われは仰ぐまじ仰げばまたたく星もこぼれむ
春浅し 1
春の風 1 2
【抄出】まちまちてちからとたのむは掌(て)にのせて軽(かろ)き葉書のひとひらなりけり
五月 1
丹波路 1
初夏 1
ひととせ 1 2
夕やけ 1 2
わかれ 1 2
【抄出】あふ日近くみどり濃き宵洗ひわたるわが黒髪にそよ風わたる
わかれても今宵またあふひとのごとをさなきわかれわれらしにけり
海辺にて 1
蒼穹 1
富士の嶺 1 2
【抄出】心よわき妻をもたせし君が妻は月が細ると今日も泣きける
旅行をことはる 1 2
かかる人 1 2
霜の野 1
【抄出】朝日さすましろき霜の凍る野にわがゆく道は定まりにけり
新年 1
下総野道 1 2
眞夜 1 2
きさらぎ 1 2
雪の朝 1
瀬戸の海 1
ふるさと山 1 2
【抄出】君をおきて誰にかは許さむわが唇(くち)にふれし花さへおろそかにせず
山ふかくひとり入り来て人恋へば吾のいのちもたふとかりけり
田草取り 1 2
たたかひ終んぬ 1 2
秋夜 1 2
【抄出】ほとほとに息はとまりつ夕闇に出あひし兵は君に似たりし
焼けしみやこ 1 2
春遠からじ 1 2
【抄出】をさなごの人見知りするそのごとく君にあふ日のおそろしきかな
霹靂 1
【抄出】たまきはる生命まさきくいませかし君が生死をいまきかむとす
捨小船 1 2
【抄出】あはれただひとひを逢はむねがひさへ過ぎしおごりと誰(た)が咎めしか
春日哀傷 1 2
【抄出】富士の山火を噴かば噴け天地の今くづれなばやすけからまし
長良川かの日見しまま変らねば水の澄むさへうとまれるかな
いかならぬ歌をうたへと君やいふ歌絶えこゑ絶えせきあへぬのみ
奪はれぬ 1
手紙 1
祭礼 1 2
【抄出】くに敗れひと死なしめて春ふかく山ふるさとに祭礼を見る
遺品 1 2
【抄出】いのち生きて愛(かな)しきひとに逢ひにけり愛しきひとの生涯(ひとよ)を見にき
奥津城にて 1 2
赤きポスト 1 2
山の彼方 1 2
【抄出】よろこびか畏れか知らずふるさとの山気のなかにほろほろ泣きぬ
山のたつき 1 2
【抄出】口笛のしらべかなしもいはけなき君が弟の吹きならす音
山川のたぎちの音の絶間なきわが枕辺に人はあらなく
なでしこ 1 2
長良川浪 1 2
月光 1 2
天の河 1 2
かの宵 1 2
白きブラウス 1 2
子守唄 1 2
【抄出】古の人もなげきしさびしさのきはみを知らばよろこびとせむ
あひびき 1 2
天の御橋 1 2
御かへし 1
【抄出】ここだくの挽歌祝歌(ほぎうた)たまへども君に叱らるる幸にしかめや
帰省 1 2
ゆびきり 1 2
あをぎぬ 1 2
真昼の夢 1
【抄出】いまし詩(うた)出来つと紙とえんぴつを求め給ひぬ夢にしてさへ
夢さめて何にはばかるわが涙耐へむとするときとみに溢れぬ
くれなゐ 1 2
鐘の音 1 2
雨と人魚と 1 2
わが家 1 2
【抄出】二人住むちひさき家のともし灯に相よりてよむ歌もありしを
君に捧ぐ 1
【抄出】恥しらぬまづしき歌を集めしと咎めたまはむ君と思へど
『新月』『やまかは』は同じ装釘で刊行された。
著者の許諾を得てページ画像全文をupすることができました。厚く御礼を申し上げます。(2005.11.15update)