(2007.10.19up / 2011.09.20update) 
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かとう ちはる【加藤千晴(平治)】『加藤千晴詩集』2004-2006


加藤千晴詩集

『加藤千晴詩集』

詩(宣告 ; 觀音 ; みちのく抄 ; 厭離庵そのほか ; 拾遺詩篇)
平成16年4月1日 加藤千晴詩集刊行会(酒田)刊
149p 21.0×14.9cm 並製  \1500 絶版

『加藤千晴詩集U』
詩(花と遠景 ; 花嫁と襤褸 ; 浪漫詩集 ; 石の枕 ; みちのく) 詩論 年譜
平成18年5月15日 加藤千晴詩集刊行会(酒田)刊
91p 21.0×14.9cm 並製 \1000

加藤千晴

千晴


『加藤千晴詩集』

平成16年4月1日 加藤千晴詩集刊行会(酒田)刊
149p 21.0×14.9cm 並製\1500 絶版

口絵
序 渺茫の人 (高瀬 靖[きよし])
詩集「観音」に癒されて (榊莫山[再録])

詩集 宣告

序 (加藤千晴)

T石をたたく

冬の歌
祈り1
祈り2
地球
哀歌
石をたたく

霜夜
戀慕の歌

U皿


心景
麥畠
荷車
花辨のごとく
鴨川
初秋
生活

わが心極北に棲む

V宣告

宣告
毀れた玩具

夜あけ
街燈
時計
室内

月明の下で
雨夜の愁ひ
流れに寄せて

W詩のよろこび

うらぶれ


感興
幻映
詩のよろこび
宝石
運命

人生

詩集 観音

詩集観音について (丸山薫)

 觀音

觀音 1 2 3 4
稱名
念佛

 跪座

土打てば
夕暮

大木
竹林に坐して
子供の繪

 希求

希求
白頭翁に
思ひ出
夜の雨

 放鳥

厭離庵
烏を放す
冬の歌
荷車
石をたたく
戰死した義弟の靈に

 家郷

老いたる母のうたへる
歸れる子

厨にて
生活
幸福であるために
衣をたたむ

 詩法

詩に寄せる言葉
詩集のあとに (加藤千晴 ・ 臼井喜之介)

詩集 みちのく抄

序 (丸山薫)

ひとで 故加藤千晴氏に (佐藤十彌)

砂丘

雨がちな北のくに
呼びごゑ
一尺の空
一日だけを(以上「みちのく」から)

石の枕

波(以上「石の枕」から)

土に帰りたい

青空のごとく(以上「浪漫詩集」から)



暗き古典(以上「花嫁と襤縷」から)



ふるさとの街(以上「花と遠景」から)

奥書 (兄 加藤丈策)

詩集 厭離庵そのほか

一、厭離庵
二、竹林に坐して
三、かなしき五月
四、ころもをたたむ
五、厨にて
六、かぐや姫
七、除夜
ご挨拶 (孫 加藤千晶)

拾遺詩篇

静かな遠望(遺稿「浪漫詩集」から)

故郷へのたより
疎開した子に
檣の見える空
弟の墓
波とのたわむれ
海なりのきこえる夜
一杯の紅茶
故郷
空色のマント
夢みる葦
時間
悲境
パン屑
みちのく
観音讃(6)(以上遺稿「みちのく」から)

音信(いんしん) 詩の真実(遺稿「石の枕」から)

特別寄稿@
千晴叔父さんの思い出(石井上子)
特別寄稿A
千晴伯父上の詩と私(野間口兼政)

加藤千晴年譜 (須藤良弘・齋藤智)
加藤千晴詩集刊行会会員名簿
御協力先一覧

後記 (齋藤智)
執筆編者略歴


『加藤千晴詩集U』

平成18年5月15日 加藤千晴詩集刊行会(酒田)刊
91p 21.0×14.9cm 並製 \1000

詩集 花と遠景

魚鱗


初恋
思想
カツレツを買ふ女の子


白い停車場
ロマンス
私の詩
さびしい魔法
春夜曲
巡礼の歌
蝶をあわれむ
詩十篇 (時 夏 追憶 水たまり 波 花 望郷 感覚 人形 種蒔き)

詩集 花嫁と襤縷

小さい娘に
夜の思ひ
海のはてに
サーカス
三角形
文学者
モノローグ
ある日のこと
アダムの顔
詩人たち
汽車
動物園

浪漫詩集

冬がくる
野に咲ける
晩夏の歌
野原

夜なかに眼をさます
林檎
子どもが生まれた夜の思ひ出
いにし春

歌(訳詩)

詩集

詩集 石の枕

現在
駱駝
嘆き
天神様
薔薇
亡き友におくる
歴史
雲に告ぐ
秋のおとづれ
愛人
ほっけ売りの歌える
音信 花の神秘(赤い花改題)
音信 夕陽を眺めて
奥付

詩集 みちのく

母の歌
命日
夏の朝
しづかな秋の日
松の林
川ばた

古だたみ
観音(10)

詩論

詩魂について
『童説』を読む
詩への覚醒

加藤千晴年譜 (須藤良弘・齋藤智)
加藤千晴詩集刊行会会員名簿
御協力先一覧

謝辞  (石井上子・齋藤智)


加藤千晴詩集刊行会の齋藤智さまより『加藤千晴詩集』に漏れた最晩年の詩篇一編を、挟み込み用に印刷されたものをお贈り頂いた。池内規行氏が所蔵の雑誌より発見、 刊行会へ連絡して実に公刊後7年を経ての補遺となった。単なる拾遺詩篇でなく絶筆とみられることから特別に頒布に至ったものにて、茲に掲げたい。(2011.07.02update)

 静かなこころ   加藤千晴

静かなこころ
なやみかなしみも
底に沈んで
何も思わない
何も夢みない
ただ憧れる
ただ祈願する
この静かなこころ

生きる日の
なやみかなしみの
嵐のなかに
かくも静かなひととき
これは神のたまもの
時間空間のまんなかに
ひとり在る
この静かなこころ

ああ このひととき
生きている 生きている
ただ安らかに
ただ充ちたりて
静かなこころよ
われに在れ われに在れ
生きる日の
この神のたまもの

四九・一二・二〇

「時間空間のまんなかに ひとり在る」・・・「今・ここ・私」といふ三点の結節に於いて、みちたりた「神」への感謝が綴られる、彼が最後に辿りついた、何かしら行きどまりのやうな詩境。 おなじ四季派の到達点として、立原道造の最晩年の詩篇「また昼に」「夢みたものは」などに重ね合わせてみると、これが絶筆となった意味が、深く感じられるやうな気がします。
ことさら易しい詩語は、厳選の末に、矯めつ眇めつして配置されたものであるからですが、求道的な詩作がそのまま生きることと同義であったやうな真摯な精神生活は、 むしろこの作者に於いて一層の祈念の形で表白されてをり、カトリックに帰依した野村英夫とは異なる宗教詩への可能性といふのは、 かつて欧米的な知性と道具立てで詩壇を牽引した堀辰雄や丸山薫らの戦後の動向にみられるやうに、実社会が欧米化・都市化に開かれてゆくのとは却って逆行するやうな、 日本的・田舎的な安息への希求のなかに認められるやうに思ひます。(2011.09.20update)


【参考資料】
生誕百年『 加藤千晴詩集 』について  齊藤智 (酒田市立図書館 館報「光丘」120号 平成12年2月1日より)

※本ページ作成に当たり、加藤千晴詩集刊行会 齊藤智氏より多数の資料提供を賜りました。
  茲に厚く御礼を申し上げます。ありがたうございました。

  加藤千晴詩集刊行会 〒998-0843 山形県酒田市千石町2-9-3 齊藤智様方


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