(2002.11.25up 2022.05.31update)
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あいそ あきら【相磯煥】『窗』1935
詩集 窗
相磯煥 第一詩集
昭和10年5月1日 相磯煥詩集刊行會(静岡県西浦村 現:沼津市西浦木負)刊
106p 18.5×13.5cm 並製 非売 100部限定
表紙 見返し 扉 題詩 目次 1 2 3
序文
百田宗治 1 2
英美子 1 2 3
中扉
冬夜
蜜柑収穫季節
雨日
薬
いろはかるた
秋日
火鉢
冬夜
空
掌
家族
齢
老樹
その日
冬庭
孤独
窓
新芽
庭
春の夜
覇王樹の花
灯
朝
霽れ
夜明け
枝垂梅
追憶
雲
月明
月
風景画
少年
窓
秋冷
日光浴
空
棗の樹
夕凪
髮
苦い目覚
春
追憶
最後の夜
青空に描く
初夏
午熱
夕映
朝
午睡
蒲団を代へて
黄昏
孟秋
棗の樹
月明
雪空
序詩 跋文
故郷伊豆
辻善明(詩集「窓」の序詩として相磯煥氏へ) 1 2
跋
酒井光好 1 2
「窓」の後に
著者の姉 1 2
刊行者手記
辻善明 1 2 3
奥付 裏表紙
コメント:
遺稿集ではない。おそらくは事故によって身体の自由を奪はれ、10年このかた臥床に耐える心の拠り所を「詩」に索めて生きてきた著者への励ま
しが刊行の動機になってゐるもののやうである。
この後、著者が再起したのかどうかは知らない。第二詩集もない。
大正末年に慶応大学生だったといふから、所謂「詩と詩論」の洗礼を受けてきた世代である。抒情詩が新しく知的に装ひを一新した時代、息の短い
作品群は、
丁度病臥する人にも適した形式でもあったやうで、写生への没入に徹する著者の眼差しと操作がそこここに窺はれる。
百田宗治に序文を仰いだことが示すやうに、椎の木社の詩集として刊行されるべき内容を持つものと云ってよいだらう。
純一な抒情への志向が、西伊豆といふ風光に閉ざされた環境にある著者のイメージと共に、結核ではないのだらうがサナトリウムで療養する四季派
青年詩人と印象が重なってゆく。
跋文を他家に嫁いだお姉さんが書いてゐるのも、またよい。(2002.11.25)
コメント: 本文画像upしました。この詩人について情報をお持ちの方はご連絡先とともにお知らせ頂けましたら幸甚です。(2007.10.17)