【清国王治本の賛】
鑿得金山石一方
玲瓏透徹又堅剛
茶爐吟案長相伴
日有雲生夜有光
率成題金生山奇石図以應
蘆舟詞兄先生雅属并請
政之街東桼園王治本
鑿ち得たり金山の石一方
玲瓏透徹また堅剛
茶爐、吟案、長相伴
日(ひび)雲生じる有り、夜は光有り
金生山奇石図に題して率(にはか)に成し、以て蘆舟詞兄先生の雅属に應じ、并びに之の政を請ふ 街東 桼園 王治本
戸田葆堂 詩画 (2022年9月際遇)
乾老坤荒玉作躯
嗒然示与百華趨
深宮粧罷春仍旺
別院歌残魂形紀
獨夜有愁憐淡月
暗香和夢落晴湖
無官橆位山中相
終始一寒如箇癯
照陽単閼大雪後一日
写於問隺軒幷題爲杉中君清嘱
古濃 葆堂逸史田光
乾坤(天地)老い荒れて、玉、躯と作り
嗒然(とうぜん:うっとり)と示し与る、百華の趨(おもむ)くを
深宮、粧ひ罷むも、春、仍ほ旺んに
別院、歌残りて、魂、形を紀(しる)す
獨夜、愁ひ有りて淡月を憐み
暗香、夢を和して晴湖に落つ
無官無位の山中の相(宰相)
終始一寒、箇の如く癯(や)せたり
照陽単閼(癸卯明治36年)大雪後一日
問隺軒に於いて写し、并びに杉中君の清嘱(需め)の爲に題す
古濃 葆堂逸史[戸]田光