解読中。（2003.6.6 up, 2010.05.06update） Back
序詩：題南宮山房（梁川星巖）
繞屋煙嵐三四峯 屋を繞(めぐ)る煙嵐の三四峯
燕居正好養幽慵 燕居、正に好し、幽慵を養ふに
尊前笑讀奇人傳 樽前、笑って讀む『奇人傳』
窓下閒修怪石供 窓下、[閑](しづ)かに修む、[蘇東坡の]『怪石供』
豈啻荘周能化蝶 豈にただに荘周(荘子)の能く蝶に化すのみならんや。
也知李耳是猶龍 また知る、李耳[老子]も是れなほ龍のごとき[に化すこと]を
有時信脚尋花去 時あらば脚にまかせて花を尋ねて去る。
五尺身材七尺笻 五尺の身材、七尺の笻[杖]
繞屋煙嵐三四峯。燕居正好養幽慵。尊前笑讀奇人傳。窓下間修怪石供。豈啻荘周能化蝶。也知老[耳+冉]是猶龍。有時信脚尋花去。五尺身材七尺[杖]
序文：南宮山房記 （牧百峰）
【解読中】南宮山房記
岩手村。西のかた関原驛を距つこと数里。菩提山下、南宮山折萬より南に在り。我友神田実甫の読書の屋は村の南に在り。菩提を背に而して南宮に面す。南宮最も欝※。
樹は皆な※處石※。勢は諸山を睥睨す。其れ晨夕に仰望する所。故に以て之を名とす。我と實甫とは同郷、屡々東省して其の屋を過る。屋は林に依って園を闢く。方数十畝。
瓜は縦横に落つ。四周の宇下。※餘地なし。毎に余至れば實甫輒ち揚げて酒を恋呼す。南宮業處之文果来往酒間。余嘗て杯を挙げ実甫に属して曰く。我輩太平に生れ。ほかに技能なし。
幸ひに父兄師友の訓へを固くす。僅かに解読に出づる。設使、庚子干戈を生ずるの際、寧ろ能く杖策軍門に謁へんか。恐らくは戎馬の蹂躪する所に如かざることを幾希ふ者。
独り家輩にあらざる也。満山草木。亦た竃灰馬屎の如きを斬刈することを免がれざるを恐るる也。まさに其の悪氣空を蔽ふべし。旗動き皷鳴る時。幸ひに活草の間に竊むといへども。
安暇坐責彼集翠之※於杯※之間乎。昔、欧陽公が間滌の日。偶※年豊 豊樂亭を作る。言與民 楽 太之意。余固感此年※俟。物※※然。此※今歳無※。※※※。而※秋※満豊熟。
我※如最。黎庶傾※蘇息。※※之我輩。与※※※之滌※。其※未※孰優也。欧公は一代の偉人。而して官は刺史に至る。故に亭を築き記を作す。氏とともに之を楽む。
而して其事は天下後世に傳誦さる。※輩※※。布衣の盟する処。未爾同年而語。離然其樂太平而※報其澤之※則一也。況庚子之事。※百倍※※※※乎。實甫詩を能くし、長短※※。
※中其節。盍ぞ頌※洽煕。以與波巷歌※唱相應和。余且つ子の爲に記す。酒を罷めて遂に書す。天保二年辛卯十月。友人※寫牧[車+兒]撰
半溪山習書
岩手村。西距関原驛数里。在菩提山下。南與南宮山折萬。我友神田実甫読書之屋。在村之南。背菩提而面南宮。南宮最欝※。樹皆※處石※。勢睥睨諸山。其晨夕所仰望。
故以名之。我与實甫同郷。屡東省過其屋。屋依林闢園。方数十畝。瓜落縦横。四周宇下。無※餘地。毎余至。實甫輒揚恋呼酒。南宮業處之文果来往酒間。余嘗挙杯属実甫曰。我輩生太平。
無它技能。幸固父兄師友之訓。僅解読出。設使生庚子干戈之際。寧能杖策謁軍門乎。恐不如戎馬所蹂躪者幾希。不独家輩也。満山草木。亦恐不免斬刈如竃灰馬屎也。當其悪氣蔽空。
旗動皷鳴時。雖幸竊活草間。安暇坐責彼集翠之※於杯※之間乎。昔欧陽公間[除]之日。偶※年豊。作豊樂亭。言與民※楽太※之意。余固感此年※俟。物※※然。此※今歳無※※※※。
而※秋※満豊熟。我※如最。黎庶傾※蘇息。※※之我輩。与※※之滌氏。其楽来※孰優也。欧公一代偉人。而官至刺史。故築亭作記。与氏楽之。而其事傳誦天下後世。※輩※※。布衣盟処。
未※同年而語。離然其樂太平而※報其澤之※則一也。況庚子之事。王百倍※※鳳者乎。實甫能詩。長短※※。此中其節。盍頌※洽煕。以與波巷歌※唱相應和。余且如子記。罷酒遂書。
天保二年辛卯十月。友人※寫牧[車+兒]撰
半溪山習書
欧陽公：欧陽詢
[水+除]：欧陽詢のあった州名
黎庶：庶民
刺史：郡代官
[車+兒]げい：牧百峯の名