(2006.01.18up / 2010.11.30update)Back

藤井竹外

 掛軸 (2009年3月購 入)


虎鬚觸手有微馨
自起移盆向夜庭
一勺清泉潤不足
借他風露養繊青


虎鬚(石菖蒲)手に触れて微馨有り
自ら起きて盆を移し夜庭に向ふ
一勺の清泉、潤すに足らず
他の風露を借りて繊青を養はん 竹外


  

『竹外亭百絶』 「秋夜即事」 / 『竹外二十八字詩 上』「秋夜雑詠」に所載。


「高槻が生んだ幕末の漢詩人 藤井竹外」会期 平成17年3月26日(土)〜5月29日(日)



修繕不能の小掛軸を壊して色紙風にしてみました。

   

掃雪  (所載『竹外二十八字詩』下巻22丁ウ)

雪比落花殊不軽  雪は落花に比して殊に軽からず
半庭掃得半庭平  半庭、掃き得て半庭平らかなり
緑芽掀土是何草  緑芽、土をあぐる、是れ何の草ぞ
春自帚痕多處生  春は自から帚痕多き処より生ず
     竹外酔士

『竹外二十八字詩』にはさらに評言として、
新警○奥(野温夫)云ふ。奇中の奇、結尾に在り。○小廣(廣瀬旭荘)云ふ。痒き處を掻くに似たり。○僧星洲云ふ。(中)島棕隠、此の詩を激賞すと。


【塋域】 長楽寺(京都市東山区) 頼山陽墓碑の前にあります。

    



  

  

  
墓地よりの眺望 / 墓地入口(クリックで案内図)